過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

老いと死

「看とりとおくり」の講座の4回目の開催で

もはや肉体が死にゆこうとする時、医療はどういう役に立つのか。 医者としては放置できない。「一分一秒でも生きながらえらせること」が医療の一つの使命である。--------------------しかし 老衰など治る可能性が全くない場合、無理に生きながらえさせる(…

おばさまたちの意識は、伝統とか慣習のわずらわしさから脱却してきている

デイサービスの事業継続のために、引き継ぎに入っている。この数日は、見習いとして送迎からケアマネ挨拶など、行動している。そして、利用者さんとは、いろいろ雑談をしている。みなさん80台だ。-------------------こんな話で盛り上がる。友人の奥さんが亡…

治る見込みのない医療というのは、患者に負担を強いるだけか

末期医療に入った友人の奥さん。もはや治る見込みはない。医療というものは、治るために行うものだ。治る見込みのない医療というのは、患者に負担を強いるだけかもしれない。------------------延命治療というと、鼻から管を入れたり、胃ろう(胃に穴を開け…

妻がいよいよ末期医療に入ったと相談受ける

「妻がいよいよターミナルに入った」と、友人が相談に来られた。60代からのアルツハイマーで、いまは施設におられる。2年前には、心筋梗塞になり危ぶまれた。今回こそ、「いよいよだ」という。もはや食事はできなくなり、栄養は点滴でつないでいる。 点滴注…

身よりもなく、ひとり暮らしで死んだ場合のマインドマップ。

身よりもなく、ひとり暮らしで死んだ場合のマインドマップ。

死の看取られから葬儀、供養についてのマインドマップ

死んだらどうなるかのマインドマップに続いて、死の看取られから葬儀、供養についてのマインドマップをつくってみた。 まあ、自分としては、人に迷惑をかけなければ、どうでもいいともいえる。 しかし、いつ死んでもいいように心がけておかねばと思いつつ。…

死んだらどうなる。人生最大の難問

死んだらどうなる。人生最大の難問。答えはあるようで、ない。あることもないことも、きっと実証できない。わからないことは、わからない。 気分転換にマインドマップで整理してみた。宗教、教えによって、生き方は支配される。安心ともいえるし、自分の世界…

「未済」をもって終わりとするところに古代の知恵の深さが

尊敬する学者に河合隼雄さんがいる。河合隼雄さんを通して、心理学、とくにユングの思想を学んでいる。河合さんの講演とフルートのコンサートを一番前の席でお聞きした。13年前のことであった。その1か月後、河合さんは脳こうそくで倒れて、一年後に亡くなっ…

人に会うのは「一期一会」だなあ

ほんとに、人に会うのは「一期一会」だなあ。もう二度と会う機会はない。これが最期かも。そう思って接したいものだ。 相手は死んでしまっているかもしれない。なによりも、自分が死んでしまうかもしれない。豊かな生き方、見事な生き方、際立った生き方をし…

ひとつの冷厳な事実として、「わがごと」として

95歳まで生きるには夫婦で2千万円の蓄えが必要。 そのように試算した金融庁金融審議会の報告書(金融審議会市場ワーキング・グループ「高齢社会における資産形成・管理」報告書案)。 年金がない人は、さらにとんでもない額が必要になるわけで、おそろしい。…

天国に近い「南の島であの世へ旅立とう」という、新しい「看取りビジネス」

天国に近い「南の島であの世へ旅立とう」という、新しい「看取りビジネス」……なるほど。 引用箇所は、この本の趣旨とはちがうところにあるけれど。ちょっと面白いので、一部を紹介。 上野千鶴子著「情報生産者になる」(ちくま新書)から。読みやすいように…

浦島太郎の物語

誰でも知っている「浦島太郎」。いじめられた亀を助けた太郎は、その御礼に竜宮城に連れて行ってもらう。そこでは、美しい乙姫さまと、 毎日ダンスや宴会。 楽しい日々をすごす。そのうち、 やっぱり飽ききて故郷へ帰ろうとする。その時、乙姫様から土産に「…

ブレーメンの音楽隊とシェアハウス

あかりがいるので、絵本をよみ、動画を見せる。こうした物語というのは、パータンはだいたいおんなじ。まず、日常から離れて旅に出る。 そこに異質な仲間が加わる。かれらは、やがて試練に出逢う。仲間はそれぞれの持ち味を発揮して、見事に試練を乗り越える…

今年も主催。第3回「納得のいく看とりとおくりを考えてみよう」

今年も主催。第3回「納得のいく看とりとおくりを考えてみよう」。パンフをすこしデザインしてみた。まずはイメージを膨らませて、動き出すことになる。 カバー絵は、「神社・寺・教会カフェ」のパンフの表紙に絵を使わせてくださった中島敬子さん。今回もま…

いやぁ、人生いつも道半ば

「池谷さん、そんなに先がないのに、よくやるよ」。友人にそう言われた。 ─いやぁ、人生いつも道半ば。それでよしとして、死ぬ瞬間まであゆむつもりなんだけど。……とまあ、そう言ったのだが。 さきほど友人からのメール。「手をひろげすぎ・・・。この性格は…

合祀墓、樹木葬、海洋葬

お墓の相談をよく受ける。きょうは、その方の親戚の人が重篤。子どもはいない。「先祖代々」のようなお墓はいらない。どうしたらいいか、と。子どもがいないのだから、墓守をしてくれる人はいなくなる。墓はそもそも必要ないと思うが、やはり合祀墓がいいの…

ちゃんとしまえば、またあたらしく始まる

寛さんの短歌。左手でダーマトで書いてみた。 貞心尼は、良寛に会いたくて、歌を送る。 これぞこのほとけの道に遊びつつつくや尽きせぬみのりなるらむ これに答えて良寛が詠んだ歌。 つきてみよ ひふみよいむなやここのとをとをとをさめてまた始まるを------…

「おくる」「しまう」「たたむ

「おくる」「しまう」「たたむ」。人をおくる、家をおくる、村をおくる。会社をたたむ。ものごとをしまう。そういう点から、宗教をながめてみた。「おくる」「しまう」「たたむ」をちゃんとすることで、新しいことが起こる。はじまる。そこをちゃんとしない…

生かしてもらっている現実に対しての感謝の心こそが

競売物件を落札したのだが、その土地のゴミの片付けを開始した。そこの見晴らしは素敵だ。梅の花が咲いている、やがて桜、そして桃の花が咲くことだろう。清流・気田川の水音も聞こえる。-------------------まずは、落ち着く場所を作ろう。事務所の庇の下を…

こんな山里でも、意識の変化が起きている。

ランの散歩で出会う人との立ち話。みなさん80を越えている。 ------------------ いつも杖をついて出会うKさん(81歳)。がっしりした体格だが、営林署の仕事で土砂に埋まり脊髄を損傷して、以来、歩くのがつらいという。 そんなKさんは言う。「墓など、い…

また春が来て。やがてまた花開く。そして、また散っていく。

ちょっときょうは、ひとやすみデー。空き家解体は、みんなでコンクリートを粉砕して運んでいる。総監督としては、あとで、見に行かなくちゃ。 そんな合間に聴いた曲。森山直太朗すごい。泣けるなあ。 諸行は無常。花はひらいて散っていく。秋になれば葉っぱ…

「墓などいらない」という人が増えてきているのはたしかだ

「寺離れ」「墓離れ」が進んできているという実感。60代はもちろん。そして70代も、さらには80代も。 ぼくたちの世代は、まだ自分の死について、リアルに感じてないために、墓はいらないというのかもしれない、しかし、リアルに死が近づきつつある70代、80代…

低収入でも安定して稼げる道があれば、山里暮らしは魅力的

山里の暮らしはたいへん。仕事がない、いろいろと不便。だが、低収入でも安定して稼げる道があれば、山里暮らしは魅力的ではある。 山里は高齢化が進む。出会うのはほとんどお年寄り。若い人を見かけない。高齢化が進むということは、見方を変えれば、デイサ…

梅原猛さんが亡くなった。93歳。

哲学者の梅原猛さんが亡くなった。93歳。18年前に講演の取材に行ったことがあった。国士舘大学の西原春夫理事長主催で、 梅原さんと野村万之丞(五世)さんが講演された。野村万之丞氏は、3年後、44歳で亡くなる。梅原さんが、とっても嬉しそうに語っていた…

人ひとり、課題、逆境、チャレンジがあって、それを乗り越えようとしている

あたりまえだけど、「これだけ苦労しました、たいへんでした」というメニューを示しあって、人と話をするわけではない。普通に話をしていて、そういう苦労話が出るわけではない。話を聞いているうちに、「じつはね……」ということが出てくる。そうして、それ…

「墓はいらない」という人たちは増えてきている

あかりの幼稚園の説明会の帰り、私設まほろば図書館に立ち寄る。そこで、囲碁をしている方がおられたので、しばし観戦。段位レベルの人のようで、あとで「囲碁の基本のキ」を教えていただいた。囲碁も終わり、春野の歴史のことから、これからの人生のことや…

臨死体験と宗教的な回心、突然起こる悟り体験

臨死体験と宗教的な回心、突然起こる悟り体験のようなものを探求したい。個人的な体験を集めている。人に聞くより自分で体験することが一番いいんだけれども、そこが至難すぎる。https://www.youtube.com/watch?v=fOoQ1dNnTVg

過疎化のひとつの風景なのだが

あかりを保育園へ連れて行った帰りに、郵便局の前を通る。すると、Mさんがハガキの投函に来ていた。元気ですかと声をかける。これは久しぶり、局の前のベンチに座ってしばし雑談する。近所の人が通りかかる。自然と立ち話が始まる。なるほど、郵便局というの…

「墓じまい」③

友人は、お寺に電話一本で「墓じまい」をした。墓も遺骨もそのままだ。「墓は先祖が勝手にやったことで、私は知らない。永代使用権の放棄による請求もしない」と伝えて、完了した。「じゃあ、自分が亡くなった時、遺骨はどうしようと思っているのか」と聞く…

「墓じまい」②

「墓じまい」②「墓じまい」するにあたって、お寺におもむかず、電話一本で済ませた友人がいる。友人の主張はこうだ。「墓じまいによって、永代に使用する権利を放棄します。お寺としては、その墓地は他に転売できます。お寺としてはメリットがありますね。永…