過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

2009-01-01から1年間の記事一覧

夢──ゲシュタルトの気づき

「おれは靴だ、黒くて重たい靴だ」 さらに続ける。靴そのものになって言う。「おれはくたびれている。重たいし、冷たい。いつも、邪魔そうに押しやられていて寂しい。そして頭にきている」そんな言葉が出てきた。語っていると、はっと気がついた。おお、この…

夢からメッセージをもらう

三枚の絵がある。一枚は、大勢の見知らぬ人が、わたしが寝ている部屋を勝手に通っていく。「ここはおれの部屋だ」と怒っているわたし。でも、そんなことはお構いなく、「いつもおれたちは、ここを通っているんだ」と、どかどか人は通っていく。 一枚は、海を…

掃除は神霊を招く行為?

掃除というと、地味でおもしろくない仕事のように思える。学校で罰掃除させられたこともある。掃除には、なんだか苦痛でつまらない、程度が低いというイメージが付着しているかもしれない。ところで「婦」という字は、女が箒(ほうき)を持っているかたちだ…

朝の原風景 カッポウ着の母の掃除すがた

先日、「文学療法」の取材で、鈴木秀子先生から、ちょっとセッションをしてもらった。 まず詩を声を出して読む。つぎに母のイメージを描くのだ。こういう詩だ。 ゆうぐれ 瞳をひらけば ふるさとの母うえもまた とおくみひとみをひらきたまいて かわゆきもの…

いろいろ楽しい唐辛子

唐辛子がたくさん実をつけてきた。なんといっても唐辛子の魅力は、生命力の塊みたいな強烈な真っ赤な色だ。たくさんあるので、まずは乾燥させて一味唐辛子にしよう。紐で編んで飾ってもいい。この鮮烈な赤が元気を呼ぶし、魔除けにもなりそうだ。葉っぱはジ…

仏とは、空から降ってきたか、土から湧いてきた

「仏教」とはなにか。それは、「仏の説いた教え」のこと。あるいは、「仏からみた世界が説かれている教え」ともいえるだろうか。たんなる世界観だけではない。「あなたも仏になれる」と説く。それには、実践がともなう。「ちゃんと実践すれば、仏になれる。…

目をつむる、感覚が総動員される

雷が鳴る。どどどどどーーーーんと、近くに落雷したような地響きがする。雨がざざざーー、ぱらぱらぱらっと降りだす。壮大な光と音の交響曲のようでもある。目をつむって、雨の音を聴いている。車の上に落ちる音、トタンの屋根に落ちる音、それぞれ雨の音が…

「考える」とは頭の中での無用なお喋りか

自分をよく観察していると、心と体がバラバラだということがわかる。いまやっていることに心が入ってない。それは、別のことを考えているからだ。本を読んでいて、食事をしていて、人と話していて、別のことを考えている。だいたい、いつでもなにか考えてい…

雑巾がけのすすめ

なにもしたくないなあ。なんかすっきりしない。つかれたなあ。 ──そういうときに、思いきって雑巾がけをする。たったの5分くらいだが。まず、キッチンタイマーをセット。 「この5分だけだから」「5分でどれだけきれいにできるか」と、ゲーム感覚でモチベーシ…

旬の野菜をいただける幸せ

きょうの収穫は、インゲン、トマト、ナス、トウガラシ、シシトウ、バジル。みんなツヤツヤ、いきいき、ぴちぴちしている。エネルギーに満ちている。 まさに「旬」だ。太陽をさんさんと浴びて、いまここで実っていたのだ。それをいただけるありがたさ。トマト…

祖師の名前をあじわう

「最澄」──穢れをはらい限りなく澄み切っていく。比叡山の最澄の御廟所に行くと、澄みきったその雰囲気が感じられる。 「空海」──空と海。すべてを受けいれる、なんとも大らかな感じ。「空」(くう)の海とも。つまらぬことにこだわるな。空を見よ、海を見よ…

ヤスクニに参拝してきた。でも。

九段下の坂道を歩く。暑い、暑い。日差しがきつい。8月15日。靖国神社に出かけた。参拝者は、やはりお年寄りが多い。人間魚雷・回天に乗っていた方に話を聞いた。当時18歳でいま83歳という。敗戦から64年。戦争に行った人たちは、みな80過ぎとなっている。陸…

生ゴミのなかのすごい虫たち

生ゴミから堆肥を作る話を書いたが、厄介なことがある。それは、ウジが発生すること。それも巨大なヤツだ。アメリカミズアブというアブの幼虫だ。このアブは黒くて、「便所アブ」とか「喪服の麗人」とか呼ばれる。カラスが嫌われるのと似ているかも。色は黒…

生ゴミから堆肥へ

食べ物をゴミに出すのは、もったいない。いのちをいただいて、私たちは生きている。そのいのちの残りを、捨てるのは申し訳ない。食べきれないなら土に還す。その土からまた新たな植物が生育していく。 ──というようなことで、生ゴミは捨てないで堆肥にしてき…

畑を借りた、でも土が……

畑に腰かけて田んぼを眺めているだけでも心が安まる。稲の上をすいーっとツバメが滑空し、赤トンボはわんさかと舞っている。六月から畑を借りた。15坪で年間2万6千円。年間だよ。しかしも、うちから徒歩10分と散歩にちょうどいい距離。いくつかの区画にきっ…

成仏しますか? という問いに答えられなかった

季節がら「お盆」なので、親しい坊さんの霊的な体験のはなし。この方は、大阪の寺に生まれ、東京で檀家ゼロからスタートした。葬儀屋の紹介で、葬儀をしながら檀家を増やしていった。いま檀家は六千軒余にもなった。東京での初めての葬儀のこと。二人の幼子…

ジャイナ教──徹底した不殺生

上から下まで白装束、口にマスク、箒を持って歩いている。こういう格好の人たちが何人も山道を歩いている。ここは、南インドのマウント・アブーというジャイナ教の聖地。標高1220mのナキー湖があり避暑地としても有名だ。ディルワーラー寺院群と呼ばれるジャ…

仏教とかなりよく似ている

ジャイナ教は、仏教とは、まったく異なる宗教と思っていたが、調べてみるとよく似ているではないか。一、創始者のマハーヴィラとブッダは、ほぼ同年代に活躍している。二、ブッダもマハーヴィラも、30歳頃に王族から出家して苦行に入る。三、ともにブッダ(…

インドの牛(2)──牛糞は貴重な燃料

ものすごい数の牛が自由に徘徊しているのだから、いたるところ牛のウンチだらけだ。踏んづけてしまうのは日常茶飯事。あるとき、道の真ん中で大きな鍋を頭に乗せて、這うように歩いている女の子がいた。齢は六つか七つくらいか。姉妹だろう。牛糞を手ですく…

インドの牛(1)──神さま

インドの牛は、神さまとして大切にされている。日本で見かける牛とちがって、白くて背中にコブがあって、いかにも神々しい。雄牛(ナンディ)はシヴァ神の象徴、雌牛は豊饒の象徴とされる。臨終を迎えようとする者に牛の尻尾を触れさせれば、牛が天国に導い…

ヒマラヤはかつて海だった

インドを旅して、もっとも感動的なことの一つは、朝日にあたるヒマラヤ山脈を眺めることだ。夜明けから、紺碧、ピンク色、オレンジ色、黄金色と刻々と変化する山脈を眺めて瞑想するのは至福の時間だ。インドの人々にとって、ヒマラヤには神々がおわすのだ。…

桐の板で寝ている

ひさしぶりに丹田体操の教室に行く。一時間半、徹底した丹田叩きと腸の運動、それから瞑想。からだの細胞が微細になって気力が満ちていく感じがする。そこで会った友人の話だ。かれはもう10年余り桐の板の上で寝ているという。ちっとも痛くないし、かえって…

「こんなにやっているのに」という怒りが

整体の先生から「負けるものか」という体をしていると言われた。たしかに、当時はそういう生き方をしていたんだと思う。 あの頃は、わたしもサラリーマンで、営業所から本社に転勤となって張りきっていた。 海外の現地法人と国内工場とのやりとり、海外物流…

「負けるが勝ち」の言葉をかみしめていた

属していた事業部が価格競争の激化で赤字縮小となって、社内的な派閥の変化もあって、私は総務部門に異動することになった。株式の管理、株主総会の運営の部署である。 仕事は社員持ち株会の管理がメインで、転換社債の発行に伴う事務手続きとか株主総会のた…

怒りと腰痛

ふりかえるとわたしの腰痛の要因は、ストレスにあったと思う。蓄積された不満、鬱憤、すなわち「怒り」にあったのではないかと思う。 カッとしたりムカつくという「怒り」の背後にはあるもの……。それは、「いまを受け入れられない」「相手を、自分を受け入れ…

内側のシグナルに気がつくこと

心はあえいで身体に反応がある。そこで気がつかないと、かなりひどくなって痛い目に遭って、やっと気がつかざるをえない。 そのときになって、鎮痛剤を使ったり患部を切除したりすると、一時的には痛みから解放されるかもしれない。が、もともとの原因を改善…

わたしの腰痛体験────腰から右足のつま先まで、しびれたように痛む

満員電車に乗って揺られているだけで、痛くてしびれてつらい。30分も座ると痛くてたまらない。立ち上がったり歩いたりすると痛みが緩む。座る。また、しばらくすると痛み出す。そんなことの繰り返し。まっすぐに立てない。立つ姿勢は、痛みのために側湾して…

椎間板を切除するのがいいと医者は言う

腰痛がひどくなってきたので、いよいよ医者に行くことにした。診断では、椎間板ヘルニアだという。骨と骨の間でクッションとなる「椎間板」という軟骨が押し出されて脊髄神経を圧迫している。そのために、痛みとしびれが起きている。腰椎の一部を削って椎間…

からだ全体が〈負けるもんか〉という緊張に満ちている

ある時、セミナーで知りあった方が、整体の先生だった。「いちどうちにきてごらん、見てあげるよ」と言ってくれた。その方の下北沢の治療院を訪ねていく。 診察台に寝ろという。先生は腰をさっと触るや、「ああ、やっぱり……」と一言。「からだ全体が〈負ける…

眠れない──睡眠薬をためしてみたら……

むかしから夜更かし朝寝坊、低血圧。寝つきが悪いうえに眠りは浅い。すとんと眠れたら、なんと幸せかといつも思う。いちど睡眠薬を試してみたいと思っていたが、あるとき、友人から1週間分をもらった。娘さんが睡眠薬を服用していたが、苦くて飲めないとい…