過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

歴史

「天皇の務め」について

「天皇の務め」①─神々とのやりとり 「天皇」というのは、7世紀あたりにできた言葉らしい。もともとは、「オオキミ」(大王)と呼ばれていたという。その「オオキミ」が、他の小国を支配して統一していく。やがて自らは天の子孫(アマテラスオオミカ=アマツ…

「天皇」に「基本的人権は、あるのか?」

天皇が交代して、令和元年。そういえば、昨日は憲法記念日だった。なので憲法について、すこし考えてみた。頭の整理のために書いてみた。たまに小難しいことを、整理してみたくなる。-------------------日本は「法治国家だ」。あらゆることの決めごとは、法…

中国の古典の『文選』が典拠

元号という言い方も、天皇という言葉も中国由来。日本人の名前も漢字である。日本発明のひらがなだって、漢字を元にくずして出来上がっている。 「令和」の元号の典拠とは「万葉集」という。それはまた、中国の古典の『文選』が典拠と。 『文選』は、奈良時…

「李柏文書」(李柏尺牘)をめぐって

西域(さいいき)、シルクロード、楼蘭(ろうらん)、騎馬民族、五胡十六国。仏教のやってきた道。なんとも、ロマンあふれる土地であり、時代である。4世紀から5世紀のはじめにかけて、中国の北方に5つの異民族(五胡)が興亡した。その中で16の国が興廃し、…

片付けなければ、次が始まらない。

朝、起きた時、あかりが言う。「ねぇ、きたなくない? 片付けないの?」 でも、それは自分がごちゃごちゃにしたせいなんだよ。部屋の中はシッチャカメッチャカ。片付けがたいへんだぁ。 それでも、近ごろは、ひとりでせっせと片付けするようになってきた。「…

子どもがたくさんいる大家族は楽しいだろうな

きょう、公園であかりと遊んでくれた子どもたちは5人兄弟といっていた。 「5人もいたら、毎日が楽しいね」。──はい、でもよく喧嘩もしますよ。「いとこもたくさんいるでしょう?」──たくさんいますよ。みんながあつまると、すごくにぎやか。 そして、公園…

尊敬するドナルド・キーンさんが亡くなった

尊敬するドナルド・キーンさんが亡くなった、96歳だった。 「暴走黙殺の果て」(ドナルド・キーンの東京下町日記:東京新聞から)2015年8月9日 「暴走黙殺の果て」 2015年8月9日 七十年前の今月、太平洋戦争が終わった。戦時中、米海軍通訳士官だった私は、…

カルト→カルト→カルチャー→権威と形骸→原点回帰

オカルト→カルト→カルチャー→権威と形骸→原点回帰→オカルト→カルト→弾圧→消滅あるいは、カルチャーに伸展→権威と形骸→原点回帰……の繰り返し。ある人に突然、神秘体験が起きる。神の声を聞いたとか、天啓を受けたとか、霊的体験をしたとか、いわばオカルト現…

神の名① 偉大で究極である神(God)の発音がわからない

ユダヤ教、キリスト教の神の名は、エホバとか、ヤハゥエとか、へーヴェと呼ばれる。しかし実は、ユダヤ人にとって、神の正確な発音がはっきりとわからない。もっとも偉大で究極である神(God)の発音がわからない。それは、いったいどうしてだろうか。 - 『…

お経と聖書

いまの日本でお経がよまれるのは、お坊さんの日々の行、勤めとして、読まれる。檀家の葬儀や先祖供養として、よまれている。あるいは、加持祈祷の呪文的な効果としてよまれる。 - そもそも仏教は、「鎮護国家」の教えとして渡来した。その「効き目」が期待さ…

「村にやってきた文明開化」「集落の悲しみ」の本の執筆 木下恒雄さん

木下恒雄さん(83歳)が、いま原稿500枚の「「村にやってきた文明開化」として王子製紙についてまとめている。事実の記録に特化したものだ。木下さんは、これまで20冊余の郷土史を出版している。明治時代に王子製紙ができたことで、町ができていく。春野の集…

靖国と鎮魂 ②

日中戦争から太平洋戦争で亡くなった軍人・軍属の数について、日本政府は230万人(1937〜45年)と言っている。特攻隊は4千人だ。民間人の戦争犠牲者を含めれば、300万人。さらには、アジアの戦死者は1,000万人とも(数は不明なものが多く、正確ではない)。 …

靖国と鎮魂 ①

「陛下は靖国を潰そうとしている」と靖国神社の宮司が語ったとして物議を醸している。そこで、靖国神社についてまとめてみた。◉戦死者はすなわち命(みこと)であり神となるこれまで靖国神社を参拝したことは、幾度かある。伊勢神宮のように静寂感のある場所…

インドとトランプ、そしてプーチンの動き

インドとトランプそしてプーチンテレビは全く見ないので、国際情勢には疎い。この4年間はテレビは押し入れの中。ニュースは、たまに新聞とTwitterなどで確認する程度だ。日本のマスコミはというと、ほとんどお笑い、食べ物、ゴシップがメインのように思う。…

「国体護持」ってなんなのだろう

司馬遼太郎が自分の体験として、書いている。彼は満州から戦車隊として内地もどってきた。関東平野を護るのが任務だ。そんなとき、連隊のある将校に、質問した。いざ敵国が上陸して攻めてきた時、避難民が荷車に家財を積んで北上してくる。国民が道路にたく…

新しい元号は「まほろば」とか「あしはら」とか、大和のことばに

のぞむべくもないけれど、新しい元号は「まほろば」とか「あしはら」とか、大和のことばにしてらいたいものだと思う。元号は、いつも、中国の古典から引用してきている。たしか「平成」は、司馬遷の「史記」からの引用か。そういうありようは、いささか残念…

まあこの季節なので、いろいろと考える。

まあこの季節なので、いろいろと考える。そもそも、日本はどうして戦争を起こしたのか。 そもそも、どこの国と戦ったのか。 なぜ南方にまで戦いに行ったのか。どうしてアメリカと戦ったのか。どうして敗れたのか。 ソ連を睨んで戦うはずだった関東軍は、なぜ…

終戦記念日の朝は豪雨だ

終戦記念日の朝は豪雨だ。はげしい雨が屋根を地面を叩きつけている。終戦とはいうものの、徹底した大敗戦だった。多くの国土を失い、戦地で多くの若者を失った。老若男女が火で焼かれた。大量虐殺に遭った。餓えと病でなくなった。原爆を落とされた。二度も…

諭吉の「ナンコウゴンスケ論」

──「ナンコウゴンスケ論」というのを知っているかい。 木下恒雄さんに聞かれた。よく遊びに行っては、教えをいただいている郷土史家だ。84歳。──さあ、知りません。ナンコウといえば、楠木正成。それが、ゴンスケみたいなものだという説でしょうか。──まあ、…

自治会と祭と信教の自由について

自治会による神社管理費の徴収は信教の自由を侵害しており、憲法違反である。そのように判決に示された。「自治会と祭と信教の自由について」自治会の役員になった友人から相談を受けたので、すこしまとめてみた。〈祭はほんらい神事である〉田舎では、祭は…

相撲と女人禁制について、調べてみた

相撲と女人禁制について、調べてみた。すごいねインターネット、必要な論文が瞬時で出てくる。むかしは、あちこち電話したり、大宅壮一文庫に行ったり、丸善にでかけたり。図書館に行って閲覧カードを調べたり、司書に聞いたりした。大きな図書館に閲覧申請…

僧とはサンガのこと 教えを学び合う集い

仏教の三つの宝。それは「仏法僧」といわれる。まず、仏=ブッダが宝である。ブッダとは、真理に目覚めた人の意味である。ゴータマ・ブッダ(お釈迦さま)は、みずから解脱しその修行法、教えを伝えた人格者だから、仏教徒はブッダを宝と思い尊敬する。つぎに…

坂口安吾の「堕落論」を読んだ

坂口安吾の「堕落論」を読んだ。すこしピックアップしてみた。池谷が勝手に改行。文脈も無視して抽出。安吾、さすがに文章力、すばらしい。青空文庫で読める。 - 半年のうちに世相は変った。「醜(しこ)の御楯(みたて)といでたつ我は。大君のへにこそ死な…

神社(3)国家の管理する神道は、明治政府がつくりあげた

神社(3)国家の管理する神道は、明治政府がつくりあげた。いわば「国家神教」といえる。その教主であり礼拝対象は、天皇とその皇祖たち。天皇は「現人神」(あらひとがみ)とされた。その教典は、「教育勅語」といえようか。天皇は皇室の先祖を敬い、国を安…

神社(2)あらゆる神社を国家によって系列化した

神社(2)明治政府は、いわば薩長と一部の公家(岩倉具視など)によるクーデター政権であり、そこには権威がなかった。そこで、将軍に替わる権威として持ち出したのが、天皇制である。天皇こそが現人神(あらひとがみ)であるとして、国家に君臨させる。これ…

神社(1)すこし神社の背景を整理してみよう

神社(1)神社の数は、全国で8万余。お寺は7万7千。神社の定義にもよるが、祠みたいなものも含めれば、大変な数になる。ぼくが「神社・寺カフェ」を企画して3年。神社の参加はとても少ない。一つには、神社を訪ねても、やり取りする相手がいない。集落が…

秋葉信仰の里坊のお寺探しに訪ねてこられた

秋葉信仰のおおもと、秋葉寺(しゅうようじ)の奥の院の世話人をされている中村さんが来訪。京都のお寺の尼さん(坂神社のちかく、東景寺の住職)をおつれてきた。いずれも「神社・寺カフェ」を企画したことによる縁だ。東景寺のおおもとの寺が、この山里に…

漢文の書き下しから

古代から日本は中国の文化を取り入れて、制度も学問もほとんど輸入した。宗教(儒教、仏教)も。とくに文字だ。漢文という外国の言葉を、そのまま読み下せるようにしたのがすごい。日本の知識人は、白文をそのまま読めたし、書けた。漢文の書き下しというの…

日蓮の教えの特徴的なことは、神々を認めていること

日蓮のあらわした文字漫荼羅には、インドの神々とともに、天照大神と八幡神があらわされている。鎌倉の祖師たちのなかでも、日蓮の教えの特徴的なことは、神々を認めていることだ。神々を国土を守護するはたらきとして、位置づけているのだ。日蓮は30代で「…

伊勢神宮に参拝したのは、歴代天皇では明治天皇が初めてであった

伊勢神宮は、天照大御神(あまてらすおおみかみ)がまつられている。神社の中でも、もっとも格が高いとされる。皇室の祖が祀られているのだから、歴代天皇は即位の後などに、かならず参拝したことだろう。……そうおもっていた。ところが、伊勢神宮に参拝した…