過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

神社(3)国家の管理する神道は、明治政府がつくりあげた

神社(3)国家の管理する神道は、明治政府がつくりあげた。いわば「国家神教」といえる。

その教主であり礼拝対象は、天皇とその皇祖たち。天皇は「現人神」(あらひとがみ)とされた。その教典は、「教育勅語」といえようか。

天皇は皇室の先祖を敬い、国を安んずる祭祀を行う。天皇は「祀る者」であるとともに、「祀られる者」である。そうして日本は、この天皇を国体として、大東亜共栄圏を打ち立てようとした。

けれども戦争で敗れ、無条件降伏となった。占領軍=連合国最高司令官総司令部GHQ)は民衆統治のために、天皇を処刑することはしなかった。その代わりに、戦争放棄と戦力をもたいという憲法をつくらせた。

1945年(昭和20年)12月、GHQは「国家神教」の廃止を命じた。天皇は「現人神」から、「人間」に戻った(天皇人間宣言)。そうして国の象徴と位置づけられた。

こうして「国家神教」の歴史は70年余りでおわった。他の宗教団体と同様、ひとつの宗教法人となった。これが神社本庁であり、約8万の神社から組織される包括宗教法人である。