過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

日本仏教の特色

彼岸も近いので、仏教について考えてみた。ざっくり言って日本の仏教の特色は二つ。

一つは、その教義(習俗)には、「この世における輪廻はなく、あの世において転生する」ところにあり。「先祖供養」が軸となる。

もう一つは「妻帯」。「出家とは名ばかりで、ちゃんと立派な家がある。いわば、「家庭仏教」。ほんらいは、修行の場こそが寺院なのだが、そこはお坊さんたちの所有物、家庭、住まいの場となっている。この件は、また別に書く。
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一に戻る。死んでも「無」にはならず。だが「来世はある」という。

この世には転生しないで「浄土」に行くのだ。
浄土ってどこだ。わかりにくいが理想世界といえる。苦しみのない世界。

これ、ややこしい。宗派によってたくさんある。

極楽浄土(浄土系)、霊山浄土(日蓮天台宗系)、密厳浄土(真言宗系)……その他、たくさんある。ただ、来世もない、転生もない、浄土もないという宗派もある(禅宗系)。

浄土とは、いわば「あの世」である。死ねば「あの世」に行く。そのための、引導作法(この世の未練を断ち切らせてあの世に行くように導く)を行うのが僧侶の務めである。のが、肝心の僧侶はそのように本当に信じているのかどうかはわからない。
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「あの世」に行けばどうなる? 自分たち子孫を見守ってくれるらしい。しかしなかには、苦しんでいる先祖もいる。そういう方たちには、供養することが大切。

その供養の方法は、墓参り、お寺でお坊さんにお経を読んでもらう、塔婆を立てる、お寺に寄進するなど。もちろん日日の久代が大切なのだと思うが。

先祖を供養することで、いまの自分の暮らしもよくなる。安心も得られる。

死者は、その早期には、個性があるが、やがて個性を失い集合霊となる。いわば類魂だ。そして、似た者同士が融合しあい大きくなって「祖霊」として私たちを、集落をを見守る。このあたりは、神道にも通じる。神道だと、それらが大きくなって「大和魂」となる。
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すなわち、日本仏教とは、神道(先祖崇拝)と儒教(位牌や墓)民間信仰(こらはもうたくさん)が融合したものである。それはそれで、「日本仏教」として定着した姿である。