過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

おとうちゃん、ドラム缶風呂を沸かしてよ

「おとうちゃん、ドラム缶風呂を沸かしてよ」
──こんな朝っぱらからお風呂はいるの? 寒くて嫌だなあ。
「昨日、約束したじゃん。はやく沸かして」
しかたなく、薪を集めて燃やし始めた。
──あかり、手伝うんだよ。ほら、団扇をあおいで。応援するんだ。
「なにを応援するの?」
──火がつくには、空気(酸素)が必要だ。団扇をあおぐと、空気を送り込むから火が勢いを増すよ。
あかりは、寒いので狐の毛皮を着て団扇をあおぐ。毛皮はこないだの百古里十八市(すがり・おはこいち)で2千円で買ったものだ。なので、こうしてラフに使える。
 ▽
「ところで。どうして火がつくの?」
──燃えるというのは、「点火したもの」「燃えるもの」「酸素」の3つが大事だよ。ひとつでも欠けたら燃えない。
まず「点火物」。これは新聞で燃やして、次にダンボールだ。それから「燃えるもの」。これは、薪だね。乾燥した木がたいせつ。湿っていると火がつきにくいし、煙が出るんだ。それから「酸素」。そのために空気を送り込むんだ。
「そうなんだ」
──だからね、火事になりそうな時に、水をかけたり土をかけたりする。それは、空気(酸素)がいかないようにするんだね。そしたら火は消える。
 ▽
ロケットストーブ型に作っているので、煙が出るのは初めだけ、火の勢いがつけば煙は出ない。
しかも、U字溝の煙突の上に五徳をおいて薬缶を置く。煙突からでる炎の勢いで薬缶の湯が沸くといういう仕組みだ。