過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

いろいろな縁がつながって、いまここにいる

あかりとひとり暮らしのおばあちゃまの家に寄って、くつろいでいた。テレビがつけられていた。わがやはテレビがないので久しぶりの映像。フランスの農家の映像だった。フランス、とっても良さそうに見える。

──ああ、フランス行きたかったなあ。フランスもドイツもいいなあ。もう行くことはないだろうなあ。
むかし、おとうちゃんはドイツに転勤の話があったんだけど、断っちゃたんだよね。

「どうしてことわったの」
──仕事、たいへんそうだったし、日本で仏教を勉強したいと思っていたんだよ。

「ふーん。そうなの」
──ドイツに転勤していたら、いまごろ、ドイツにいたかもしれない。そうしたら、こうやってあかりと会うことはなかったかもねえ。

「どうしてなの」
──ううん。どうしてかなあ。あかりと出会うためにずっと日本にいたのかも。

いろいろな縁がつながって、いまここにいる。ここにある。この先、なにがどうなのか、まったく予想はつかないけど。