オープンスペースで間仕切り仕切られているだけなので、待たされている間に、声が大きいので、聞くともなく話が聞こえてきた。
年老いたおばあさまの声が聞こえる。どうも「特養」におられるようだ。財産を誰に譲るか。マンションは誰に、残された現金は誰に、ということの遺言をつくっているようだった。
「○○にマンション、○○に現金を。残されたお金は永代供養に……」。
「要するに、こういうことですかと」。聞いているのは、弁護士とおもわれる。その間、兄弟親族であろう、じっとうつむいて聞いていた。
おばあさまは、すこし認知症が行っているようで、話は行きつ戻りつ、ゴチャゴチャしていくのを、弁護士が整理していた。
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「公証役場」に行ってきた。その場の待ち時間のことである。
一般社団法人を立ち上げるに当たって、「定款」(定款)の認証を受けるために出透けたのだった。これを受けて、法務局で登記ということになる。
事前に定款、理事長承諾書、実質的支配の書類など、いろいろFAXでやり取りして、印鑑証明やら、あれこれ捨印を押して、なんとか書類は完成。それでも、法務局に行くと、理事の承諾書が必要とか、印鑑証明が足りないとか、日付がこういうことならこうなるとか、いろいろ修正が入る。
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「公証役場」というのは、会社等の定款の認証、遺言や任意後見契約などの公正証書の作成を行う。
ここで認証を受けなければ、法務局で法人の登記はできないことになっている。法律の専門家によるチェックという意味と、第三者が確認したという意味がある。でも、NPO法人の「定款」は、その必要はない。三ヶ月の縦覧期間が必要だが。
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ともあれ、こうして、たまに〈まちなか〉に出むくと、いろいろな人生模様が垣間見られる。
「人生、やはりカネだなあ」ということ。「人は老いて頭の回転はおとろえ、認知力が落ちて滅びていく」。
そのことは、まさに「わが身に訪れる現実だ」というところ。