禅宗のお坊さんの研修会で講演させてもらった。そのテープ起こしの原稿が届いた。機関誌に掲載されるということだ。校正せよ、ということで、今日が締切だ。
しかし読んでみると、これがまあ、いかにも散漫で無内容。かなしいかな、これが現実のすがた。他人の話したことをまとめるのは慣れているけれど、自分の話したことをまとめるのは、どうも勝手が違う。
それで、校正というよりも、編集しているところ。こういう仕事は、最初は、うわー手間だなあ。おもしろくない。先も見えない。と遅々として進まない。
10のエネルギーに対して、効果は1以下。それでも続けていくと、10に対して3くらいなる。こうなると、すこしおもしろくなってくる。
そのうち、10に対して10。そして、20、30と、勢いがついてくる。はずみがついてくる。欲が出てきて、おもしろくなってくる。いまちょうど、そのあたりにさしかかってきたところだ。
手をつけなければ、ぜったいに完了しない。このようにして、ものごとは手をつければ動き出す。動き出せば進む。進めばおもしろくなる。ついには、完了することができる。そんな体験の積み重ね。