過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

さぁ仕事するぞーと言うと、あかりがやってくる。

さぁ仕事するぞーと言うと、あかりがやってくる。
「お父ちゃん遊んでぇ」。
やれやれ仕方がないなぁ。
じゃあ絵本読もうかというと、「いやだぁー」。
じゃあ将棋やろうかというと、「いやだぁー」。
じゃあ川で石積みやろうかというと、「いやだぁー」。
じゃあダンボールアートというと、「いやだぁー」。

──じゃあ、何やりたいの?
「戦いごっこぉぉ」。

これはプロレスの技をかけるわけだ。尾てい骨割り、16文キック、ブレーンバスター、人間風車、水平打ち、クロスチョップ、大外刈り、巴投げ、これらを繰り出して戦うんだけれども、とても疲れる。

──お父ちゃんはそれはイヤだ。
すると、あかりは不機嫌になって泣き出す。

さて、どうしたもんかなぁ。
というところで、いつも何かが起きていくことになる。

あかりは、足を投げ出したお父ちゃんの靴下に穴を見つけた。その穴を広げようとする。
お父ちゃんの靴下を脱がそうとする。お父ちゃんはそれを阻止する。そういうゲームになった。

あっけなく靴下は脱がされてしまった。今度は足の親指とひと差し指でティッシュペーパーを切るゲーム。あかりも一緒に足の親指とひと差し指で綱引きゲーム。
今度はもっと厚い紙でやってみようか。足の指で引っ張り合いのゲーム。

そのうち暗くなってきた。
──そうだ、やっぱり畑に水やりに行こう。
あかりは「行かない」と言う。けれども、後でトコトコついてきた。ホースから水をじゃんじゃん出しているのが面白くて、はまっていた。

畑では、丹波の黒豆が鳩に食べられずに芽を出していた。今年は大豆だけは、ちゃんとできそう。
空芯菜と藍と唐辛子は、さてどうなるかわからない。
荒地でも育つ大豆やサツマイモ。とりあえずはこういったものから作っていく。