いまの「リアルなインド」を聞けた。身過ぎ世過ぎのために、インドでお坊さんをしているわけではなく、まさに体を張っての活動の体験が聞けた。
森田上人(70歳)は、日本山妙法寺の僧侶として40年間、インドで布教活動を行っている。いのちをかけてという面もある。なにしろ同僚のお坊さんは、ネパールで一人、スリランカで一人、殺されている。
すべてを天におまかせてというか、『法華経』の不軽菩薩の精神に立ってというか、潔くきっぱりと活動している。その力強さが響くお話であった。
昨日は、森田上人をお迎えしての集いを主催した。森田上人は、インドのムンバイ(ボンベイ)の日本山妙法寺の住職である。幼稚園も運営している。
インドの宗教間紛争(過去にヒンドゥーとイスラム、あるいシークなどとの争い、まさに殺し合うようなこともあった)のときにも、平和大行進(団扇太鼓を叩いて南無妙法蓮華経と唱えて歩む)など先頭に立って活動してきた。
師匠の藤井日達上人との出会い、インド各地での平和大行進、日蓮聖人の教えと立正安国の精神、いまのインドの実情。さまざまな宗教観の対立と融和。そんなことを語ってもらった。
ほとんど広報しなかったので参加者も少ない。講師には申し訳ないなあ。でも、森田上人は熱を込めてのお話を1時間。
だが、ちと固くて難しいかなあ。みなさん質問もしづらそう。さてどうしようか……。さいわい横田スワルナリさん(東インド出身)が、参加者のためにインドのスイーツと飲み物を用意してくれたので、テーブルを囲んでの語らいとした。
ちょっと食べ物が入ると、空気が和む。池谷が司会進行しながら、みんさんからの質問やコメントを促しながらすすめていった。3時間はすぐにたった。人数が少ないので、こういう有意義な語らいができたわけだ。そのあと、また隣の会場でやりとり。夕食をしながらの語らい。日本山妙法寺の浜松道場に移動してからまたお話と。
インドのこと、仏教のこと、お寺の運営のこと、ミャンマーの独立運動のこと、いろいろなことを語りあったのだった。とてもいい出会いであった。また次に来日された折に、お話していただくことになった。