お正月って先祖がかえってくるという考えがあったのか、とあたらめて気づいた。御霊(みたま)まつりという意味あいがあるんだ、と。
先祖がかえってくるというと、お盆だ。それと、どうちがうのか。お盆は、故人になっても、まだ個性があって、いわば「荒霊」(あらみたま)の先祖がかえってくる。
お正月は、すでに個性がなくなった先祖が、祖霊という集合霊となってやってきてくれる。和霊(にぎみたま)。あるいは、山のカミ、田のカミがやってきてくれるという説も。
そのために門松をたて、お餅をつく。カミと先祖をおむかえして、おもてなしをする。
先祖霊とカミにご馳走を捧げ、そうしてお下がりをいただく。先祖とカミとひとが一緒に食事をすることで、あたらしいエネルギーをいただく。きっと先祖やカミは、子孫たちが楽しくにぎやかに語らいいっているのが好きなんだろうね。
こういう考え方が軸にあると、またお正月の過ごし方もちがってくるようだ。それがないと、正月は、テレビ見ておいしいものをみて、初詣に行ってお願いごとして、買い物して、友人とあって……ということになってしまう。まあ。それもいいんだけどね。