過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

答えと共感

人から相談されたとき、いい答えを出さなくちゃいけない、なるほどという解決策をちゃんと示さなくちゃいけない、と思う。とくに女性に相談されたとき、男はえてしてそうなりがち。

でも、よくわかっていないのに、浅薄な共感しかないのに、すぐに答えや解決策を出そうとしたら、かなり滑っている。▲もしかして相手は、答えや解決策がほしいんじゃなくて、相談したかった、自分の悩みや苦労を分かってもらいたかったのかもしれないし。そして、一緒に考えてもらいたかったのかも。

とくに女性の場合は、共感してほしいと思っていることが強いと思う。▲「共感」というもっとも大切な手間を省いて、頭で考えて結論を出すってことは、ああ、ちがうんだなあ、このタコ……と思われるかも。▲で、もっとダメなのは、いい答えを出してあげた、すごいだろうみたいな気持ちでいる。相手に響いていないことに気がついていない。これは、恥ずかしいこと。自分の愚かさに気づいてないんだからね。

大切なことは、安直に答えや結論を出すことじゃない。共感すること。相手の気持ちか分かること。一緒に考えること。▲そのあたり、若いときには、体験がすごく不足していた。頭で考えて頭で語っていた。感情の理解が遠かったなあ……。もっともいまでも、そうだけどね。いま庭のキリギリスの鳴き声を聞いていたら、そんなことを思い出した。