過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

遺産相続の相談を受けた

友人から遺産相続の相談を受けた。
相続人(きょうだい)同士の話し合いのテーブルにつくのがむずかしそうだ。
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こういう経緯がある。

友人の親は今年6月になくなる。片親は左右年舞うにすでに亡くなっている。Aさん(相続人:きょうだい)から「数年前に、生前に土地と建物を贈与されて、すでに名義は変更した」と聞いた。

「事実」はどうか。謄本をとってみればすぐにわかる。
インターネットで謄本を取得する。登記されていなかった。事実とは違うことが判明。

さらに、Aさんからは「遺言書がある」と聞いた。しかし、亡くなって数ヶ月、「遺言書」が開示されていない。

法律的には、遺言書の保管者は、「遅滞なく」家庭裁判所に提出して、「検認」を得ることになる。封印のある遺言書は、家庭裁判所で相続人等の立会いの上、開封、ということになっている。
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その「遺言書」はどこにあるのか。また、その内容は?

Aさんは「弁護士事務所に預けてある」と言う。事務所に電話すると、弁護士は「そんなものは知らない。遺言書などない。遺言の執行人でもない」と言う。また、事実地は違うことが判明。

Aさんにそのことを伝えると、「いや、実は司法書士事務所にある。開示するには一ヶ月以上かかる」などと言いだす。これまでの経緯からして、また事実とは違ってくる可能性はある。
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ほんらいなら、遺産の分割協議、相続人同士の話し合いがいちばんいい。だが、これまでの経緯をみると、難しそうだ。

どうしたらいい? 確実なのは、「家庭裁判所への申し立て」だ。家庭裁判所で「遺産分割の調停」をしてもらうのだ。

費用がかかるのでは? いや、収入印紙と郵便切手など、数千円程度。もっとも弁護士に依頼すれば、着手金20〜30万円、成功報酬20%、日当2万円の世界で、たいへんだ。

裁判なのか? いや、「裁判」ではない。調停員を交えての話し合いだ。当事者双方から事情を聴き、遺産について鑑定を行う。解決のために必要な助言をし、合意を目指し話し合いが進められる。

時間がかかるのでは? 話し合いだから、それはすんなり決まるかもしれなんい。でも、半年以上はかかるだろう。でも、合意し調停が成立すれば、訴訟の場合の判決と同じ効力を持つ。それで、相続人は納得する(せざるをえない)ことになる。
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もしも、調停案が不服ならば、どうなるか?。

次のステップの裁判官による「審判」に入る。対立する者同士が、書面を出しあって、裁判官に審判してもらうことになる。

時間がかかる?
裁判となると、最低でも一年か。長ければ二年、三年。

その間に、当事者が逝ってしまったらどうなるか?
相続の地位は、配偶者、子が受け継ぐことになる。
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そんなことを友人に伝えた。裁判所への申立(遺産分割調停申立書)も、書いてあげてもいい。あとは、戸籍謄本、住民票、不動産登記事項証明書などを揃える。はやければ、家庭裁判所にて、年内に第一回の調停と。

「そんなことしているより、自分の頭の上の蠅を追え」と言われそう。「はい、その通りです」。