過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

得意なこと、好きなことを深めていく。わが子にはそういう生き方を、と

山里の教育について。山里は子どもが少ない。全学で数十名。小中時代は少人数学級でいい。そして、山里のほうが教育に向いている。ゆたかな大自然という教師がいる。親子、仲間との農業体験、暮らしの達人たちとの出会い。たくさんの学びがある。

さて、高校だ。この山里にも高校はある。だが、希望のところとなると、まちなかの高校に通うことになる。ある生徒はは、クルマで駅まで往復2時間、そこからまた電車。またバスという通学をしている。それだと、4〜5時間もかかる。費用も大きい。

かつては〈まかない付きの下宿〉があったが、いまはそういうところは稀有だ。すると、まちなかにアパートを借りる。一人じゃ暮らせないので、お母さんも一緒に住む。お父さんはひとり暮らし。そうしてやがてお父さんも、まちなかで仕事をせざるを得ない。そんなことも聞く。

あかりが高校に行くまで、あと13年ある。その頃には、時代も大きく変わっている。偏差値の高い学校=いい学校=いい大学=いいカイシャ=安定した人生、という価値観は、あんまり意味をもたないと思う。

読書のたのしみがわれかば、ひとりでどんどん学べる。学びに際限はない。書くことで理解がさらに深まる。文章にしてネットで発信できる。遠方のすぐれた方から学ぶことができる。友ができる。

いいカイシャに属して安定して生きるという生き方は、すすめたくない。生きていくワザを身につける。コミュニケーション能力を養う。自分しかできないことを、見つける。得意なこと、好きなことを深めていく。わが子にはそういう生き方を、と思っている。