過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

人前で話をするということ

今年になってから、講演とかプレゼンとかラジオ出演の機会が増えてきた。山里の暮らしを伝えてほしいとか、企画をして助成金をいただくためのプレゼンだったりする▲あるときは突然、ラジオ局が訪ねてきて、歌を歌え、なんてのもあった。びよよーーんと楽器を奏でて、インドのお経をよんだけどね。

ぼくは、質問をして人の話を聞くのが得意なほうで、自己紹介とか人前で話をするのは苦手だ。座談会でやりとりするのはいいんだけどね。人前で、一方的に話をしようとすると、力が入る。すると喋り方が不自然で無理があるから、聞くほうは疲れるだろうなと思う。

目の前にたくさんの人がいるというのは、たいへんなストレス。話を伝える人のありようを〈かたまり〉としてとらえると、うわずっていく。聞いているのは、一人ひとりなんだから▲そのひとりに向かって話をするということであれば、地に足が着く。まあ、そのあたりは、やはり慣れなんだろうと思う。

力が入っている人の話は、疲れる。なにか説得しようとか、売り込もうとか、よく見せようというのも疲れる。いちばん違和感があるのは、芝居がかったような話し方かな▲自然に語る人の話は聞きやすい。当たり前にたんたんと話す、というのがいちばんいい。伝わる。それが、もっとも難しい▲ぼくの場合、自分をよくみせよう、身の丈以上に評価してもらおう、という思いがそうさせる。で、結局は、底が浅いので見透かされてしまうわけだけど。