過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

縁があれば採択されて、事業は進む。採択されなくても、自力のネットワークで。

「企画はどんぴしゃで、求められているものなんです。でも、事業の継続性が気になります。いかがですか」。「継続するには、コーディネイトする人が必要になると思いますが、そのあたりはいかかですか。池谷さんひとりでがんばるのですか」……と問われた。
「がんばります」と言っても、ほとんど意味がないし。「う〜ん。継続性、なかなか難しいです」。「な〜んだ。いつも打ち上げ花火じゃんとよく言われます」と、正直に答えた。その時、すこし審査員から失笑が起きた。そうした滞り、空白、逡巡、悩みのどツボというあたりが、共感されたりする。ぼくはいつも、「立て板に水」になりがちなので、そんなところがまあ、いいのかもしれないと思いつつ。不全感は残る。

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 ある助成金の企画提案の二次審査のときのことだ。プレゼンは7分間。質疑が8分。7分間で趣旨を説明するには、やはりパワポを使うしかない。ぼくの場合は、MacなのでKeynoteだ。それをPDFにしてパワポに使う。

パワポは視覚に訴えるので便利だ。でも、つくった順番に話をすることになるし、台本を元にレールの上を走るみたい。それは、うまくいくようであり、そのことがかえって上滑りな感じにもなる。聞かされるほうは退屈だと思う。なにもなくて、ただハートで伝えられたら、いちばんいい。プレゼンというのは、まさにPresence(いまここの瞬間の存在のありよう)なんだから。しかしまあ、それほどの力量がない。ハートもない。だから、パワポに頼ることになった。
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これまで、いろいろな事業は、数年は続けていっている(民間の助成金などでつなぎながら)。まあ正直、継続性というのは難しい。そもそも事業収益が上がらない企画なわけで、持ち出しというか、やるほどに細っていくわけだ。そして、プロデューサーといっても、いつも全部自分で仕切り、動かし、段取りしなくちゃいけないというところで、苦労している。ぼくが飽きっぽいのと、集中力が持続しないこともある。「最初の立ち上げで、助成金をいただくことで、環境整備と場作りができれます。あとは人と人とのネットワークができて、自然と継続していくと思います」。そうも答えたのだが。

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ともあれ、縁があれば採択されて、事業は進む。採択されなくても、自力のネットワークで少しずつ、進めていく。今回の企画は、親子の遊び場づくり、出会いの場作りということで、これは「わがごと」でもあるし。