過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

坐禅と丹田呼吸

丹田に力を入れてーー、ふいごのように息をしろ。たった一つの呼吸もゆるがせにするな!」

警策をもった僧侶が、ものすごい声で怒鳴る。堂内にみなぎる気合いは、武士道のようでもある。警策の打ち方もすさまじい。

千葉のマザー牧場のそばにある臨済宗国際禅センターの座禅会に参加した。

三日間、朝の4時から夜の10時まで坐る。

季節は一月。坐禅堂は開けっ放し。寒いこと寒いこと。40分の坐禅と10分の休憩を繰り返す。途中、読経と作務の時間もある。食事は一汁一菜。

ただ坐るだけ。やることは呼吸に意識を向けるしかない。吸う・吐くだけの世界にいる。

「ひとーーーーーーー(息を吐く)つーーー(息を吸う)」

「ひとーーーーーーーーつ、ふたーーーつ、みーーーっ、……とおーーーーーー」

と、10まで数えては、またひとーーつ、とえんえんと繰り返す。おしまいはない。この数息観をやっていくと深い呼吸になる。吸う・吐くで1分間。10回で10分間だ。

丹田に力を入れていくほどに、内側からエネルギーがみちて体中が熱くなる。雑念も少しずつ消え、余計なものが削ぎ落ちてくるようだ。深い呼吸によって、酸素が細胞の隅々までいきわたる。腸の動きが活発になるんだろう。すごく血色もよくなった。

心身まるごとが活力に満ちるとともに、透明になって澄んでいく、そんな幸せを感じた。