過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

『法華経』には大きくは二種類。地上の『法華経』と天上の『法華経』

法華経』には大きくは二種類ある。地上の『法華経』と天上の『法華経』。
鳩摩羅什の訳した『法華経』をベースに整理していく。
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①経典としての『法華経』‥‥地上の『法華経
②経典の中に説かれた『法華経』‥‥天上の『法華経

法華経』という経典には、過去に『法華経』が説かれたということが述べられている。

①は釈迦が説いたことになっている。もちろん釈迦が歴史的事実として説くはずはない。だが、そういう設定になっている。

②釈迦以前に無数の仏菩薩が説いたとされる。そのことが、『法華経』の中で述べられている。
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過去に『法華経』を説いた「仏菩薩」の例をいくつか挙げる。

「日月燈明仏」
二万仏、皆同じく一字にして日月燈明と号く(中略)日月燈明仏、大乗経の無量義・教菩薩法・仏所護念と名くるを説きたもう(序品)

「妙光菩薩」
妙光菩薩、妙法蓮華経を持ち八十小劫を満てて人の為に演説す(序品)

文殊師利菩薩」
文殊師利是れ菩薩の初の法に安住して能く後の世に於て法華経を説くと名く(安楽行品)

「大通智勝仏」
爾の時に彼の仏(大通智勝仏)、沙弥の請を受けて、二万劫を過ぎ已って、乃ち四衆の中に於て是の大乗経の妙法蓮華・教菩薩法・仏所護念と名くるを説きたもう。(化城喩品)

「大通智勝仏の子の十六の菩薩」
是の十六の菩薩は常に楽って是の妙法蓮華経を説く。(化城喩品)
十六の菩薩沙弥、仏の室に入って寂然として禅定したもうを知って、各法座に昇って亦八万四千劫に於て、四部の衆の為に広く妙法華経を説き分別す(化城喩品)是の十六の菩薩は常に楽って是の妙法蓮華経を説く。(化城喩品)

「阿私仙人(提婆達多の前世)」
我大乗を有てり、妙法蓮華経と名けたてまつる、若し我に違わずんば当に為に宣説すべし(提婆達多品)
普く十方の一切衆生の為に妙法を演説する(提婆達多品)

「威音王仏」
威音王仏の先に説きたもう所の法華経二十千万億の偈(常不軽菩薩品)

是の法華経は大に諸の菩薩摩訶薩を饒益して、能く阿耨多羅三藐三菩提に至らしむ(常不軽菩薩品)

是の比丘終らんと欲する時に臨んで、虚空の中に於て、具さに威音王仏の先に説きたもう所の法華経二十千万億の偈を聞いて、悉く能く受持して、即ち上の如き眼根清浄・耳・鼻・舌・身・意根清浄を得たり。是の六根清浄を得已って、更に寿命を増すこと二百万億那由他歳、広く人の為に是の法華経を説く。(不軽菩薩品)

「不軽菩薩」
是の菩薩復千万億の衆を化して、阿耨多羅三藐三菩提に住せしむ。命終の後二千億の仏に値いたてまつることを得、皆日月燈明と号く。其の法の中に於て是の法華経を説く。(常不軽菩薩品)