過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

給料が安くても、無償奉仕でもやりたい、と思える大好きなことを仕事に選べばいい

「これを知る者はこれを好む者に如(し)かず。これを好む者はこれを楽しむ者に如(し)かず。」(『論語』)

──やっぱり経済だよね。
「そうよ、経済よ」

──それ、苦手で放置してきたんだよね。真剣にかかわらないとねえ。国家経済がどうの、資本主義がどうのということもあるけど、自分の仕事をどうするか。自分の経済のやりくり。
「まずは経済の勉強をしましょうよ」
  ▽
こないだ訪ねたお寺で尼さんとの会話である。
ぼくは仏教や宗教、歴史というたぐいは得意なんだけど、経済はからきしダメ。金儲けもダメ。でも、なんとかしないと、つぶれてしまう。今頃気づいても、遅いんだけどね。

というわけで、いろいろ経済の基本から学び直している。
まあ、なによりも「マインド」が大切だよ。

長い間、サラリーマンしていたので「勤め人マインド」だ。親は教師で公務員だったしね。だから、起業するとか経営者マインドは、まったくなし。

ちゃんと仕事してワザを磨いて評価してもらう、というマインドであった。
それが、サラリーマンを辞めてから、いつしか食うに困ってきた。

それで、ひらめきで始めたのが編集の道だった。またくド素人ながらさいわい仏教が大好きだったので、その分野で仕事はいただけた。道は全く違うが、医学書もつくらせてもらった。

いまだ試行錯誤だが、この本を読んでなるほどと思ったので一部転載する。
 ▽
最初は他人よりうまくできていたとしても、すぐに追いつかれてしまう。要するに、「うまいやり方」を知っているだけではダメなんです。

じゃあどうすればいいの??
結論からいうと、「自分の人件費」を抑えられる仕事を選べばいいのです。

つまり、自分の給料が安くても、無償奉仕でもやりたい、と思える大好きなことを仕事に選べばいい。

無償奉仕でもやりたい大好きなことは、高い給料をもらわなくても続けられます。そして、自分の人件費が少なくて済むということは、結果的に原価を抑えられるということで、利益を多く出すことができる。もしくは顧客にその分安く提供できる。

原価を下げるという意味では、「効率的にできる仕事」と似ていますが、内容は全然違います。

「うまいやり方」はマネできますが、給料は少なくてもいいからやりたいと感じる「気持ち」は他人にマネができません。

なので、他人が同じ仕事をしたら、必ず相応の人件費が発生し、自分よりも原価が高くなる。だから自分が勝てるんです。

大好きな仕事は、他人よりもうまくできるから競争に勝てるという面もあります。しかし、「質の高い仕事」はがんばれば他人でもできます。

でも「報酬をもらわなくてもいい」という点で優位に立つと、結果的に競争に勝つことができ報酬ももらえる。だから「自分の人件費を抑えられる、大好きな仕事をすることが重要なんです。
(「今まででいちばんやさしい経済の教科書」小暮太一 ダイヤモンド社

やはり、「自分の給料が安くても、無償奉仕でもやりたい、と思える大好きなことを仕事に選べばいい」。そこだね。