過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

日本は石油のために大東亜戦争を始めたのだった。

なぜ日本は大東亜戦争を起こしたのか。
この理由を明快に答えられるひとは少ないと思う。

理由の大きな要因は「石油」だ。
日本は石油のために大東亜戦争を始めたのだった。

米国が石油の全面禁輸をおこなったことにある。日本は石油を確保するために、連合国のオランダ領であるボルネオとスマトラの油田を奪いにいく。
海賊とよばれた男』(百田尚樹著 講談社2012年発行)より引用する。
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終戦前から日本には石油はほとんどなかった。国内産の原油は昭和の初めにはほぼ採り尽くされ、原油及び石油製品のほとんどは米国からの輸入に頼っていた。

「だから昭和十六年に米国から「石油全面禁輸」の措置が取られたことは、日本にとって死刑宣告にも等しい事態だった。石油がなければ経済活動はストップする。海軍が誇る聯合艦隊の軍艦や飛行機も動かすことができなければ、戦争状態にあった中国大陸へ兵員や物資を輸送することも不可能になる。

それまで日本政府軍部も米英との戦争は何としても避けたいと考えていたが、米国が石油の全面禁輸をおこなったことにより、事態は急展開した。日本は石油を確保するために、連合国のオランダ領であるボルネオとスマトラの油田を奪わなければならなくなった。つまり日本は石油のために大東亜戦争を始めたのだった。

ちなみに「大東亜戦争」という呼称は、戦後GHQの思想改革によって禁じられ、「太平洋戦争」という言葉に変えさせられた。公文書ではもちろん禁止、一般書物でも事後検閲で発禁処分となったため、大東亜戦争という言葉は事実上、日本から消えた。

四年近い戦いの末、兵士約二百二十万人、一般人約七十万人、合わせて三百万人という尊い国民の命が失われた。また二百以上の都市が空襲に遭い、二百二十三万戸の家屋が焼失し、約九百七十万人の人が被災した。

都市では多くの工場が焼かれ、国内産業の過半を無力化された。戦前世界1位を誇った海軍は壊滅し、数百隻の艦艇と数万機の飛行機が海の藻屑となった。そして日本は明治以来手に入れてきた海外の領土と、そこに長い間かかって投資した資産をすべて失った。