過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

石原莞爾と牧口常三郎

昨日は敗戦記念日
日本の戦争は、なんのために興したのか、考えてみた。
外向けの戦争目的、大義名分は「東亜の解放」。大東亜共栄圏。アジアを白人の支配から開放するのだ。それが、アジアの盟主である日本の使命。すなわち、聖戦である。「八紘一宇」「大東亜共栄圏」「五族協和」と。
本質は、西洋列強が過去に行ってきたように、他国を支配し、その資源を奪うためであったと思うのだが。
ともあれ、日本の敗戦により、結果としてアジア諸国は独立した。
日本がもしも勝っていたらどうなっていたか。
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天皇陛下」を崇め奉る信仰に統一して、その他のものを排除し弾圧したことと思う。なにしろ日本人にとっては、「天皇陛下」は、「現人神」(あらひとがみ)であり、究極の御神体である。
「神につながる大和民族は、とてもエラいのだ。支配者なのだ。おまえらとはちがうのだ」、として威張り散らし、ふんぞり返っていたかもしれない。
各地に神社を建てて、礼拝を強要する。各民族の信仰は弾圧する。みんな天皇陛下万歳をさせられる。日本語以外の自分たちの言葉を使うと、ぶんなぐる。つらい労働は、支配された人々にやらせる。
そんな構図が浮かび上がる。おそろしい社会になっていたかもしれない。
その思想の拠点にあるのは、天皇絶対主義しそうだと思う。
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ここに、参謀として満州帝国を画策した石原莞爾(いしはらかんじ)と、創価学会の初代会長牧口常三郎の言説を引用する。
ともに、天皇陛下を至高の存在としている。石原莞爾は、「天皇」を世界の盟主とする共同体をつくろう。また、日蓮の予言によって、最終戦争が起き、やがて世界は統一され平和な世界が訪れると述べている。
創価学会の初代会長の牧口常三郎は、「天皇に帰一奉るのが国民の至誠」「現人神であらせられる天皇に帰一奉ることによって、ほんとうに敬神崇祖することが出来る」と述べている。
創価学会は、戦争中、平和と人権のために戦い、そのために牧口は獄死したという。創価学会反戦平和の団体であったし、いまのその精神を受け継いでいると言っている。
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悠久の昔から東方道義の道統を伝持遊ばされた天皇が、間もなく東亜連盟の盟主、次いで世界の天皇と仰がれることは、われわれの堅い信仰であります。(中略)
この大事業を貫くものは建国の精神、日本国体の精神による信仰の統一であります。
(中略)
日蓮聖人は将来に対する重大な予言をしております。日本を中心として世界に未曽有の大戦争が必ず起る。そのときに本化上行(ほんげじょうぎょう※池谷注:久遠本仏の釈迦によって、末法において布教を託されたとされる菩薩)が再び世の中に出て来られ、本門の戒壇を日本国に建て、日本の国体を中心とする世界統一が実現するのだ。
世界の大戦争があって世界は統一され本門戒壇が建つという予言をしておられる。(石原莞爾:最終戦争論 講演速記録)
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萬世一系の御皇室は一元的であって、今上陛下こそ現人神であらせられる。即ち、天照大神を初め奉り、御代々の御稜威は現人神であらせられる今上陛下に凝集されてゐるのである。
されば吾々は神聖にして犯すべからずとある「天皇」を最上と思念し奉るものであって、昭和の時代には、天皇に帰一奉るのが国民の至誠だと信ずる。(中略)
即ち人法一致によって現人神とならせられるのであって、吾々国民は国法に従って天皇に帰一奉るのが、純忠だと信ずる。
吾々は現人神であらせられる天皇に帰一奉ることによって、ほんとうに敬神崇祖することが出来ると確信するのである。(牧口常三郎の講演:「大善生活実証録」第五回総会報告 創価教育学会に収録)