過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

つくべき縁あり、はなるべき縁あり

M診療所に行く。11時30分までが診療受付。で、着いたのは11時32分。そしたら、断られてしまった。まあ、それも縁だ。いい出会いがあるんじゃないか、別の診療所に行くことにした。頭をすぐに切り替えた。
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で、O診療所に行く。
O先生とは、短い時間の雑談がいい。タカラヅカを創設した白井鐵造のこと、肺結核の療養所の天竜厚生会病院の歴史など、盛り上がる。

待合室で、製茶の栗崎園のお父さんがいた。もう90歳という。
栗崎園は、つねに全国で金賞か銀賞を受賞の銘茶を作っている。
「経済原理を無視して作っているからね」と。まあしかし、全国で金賞のお茶だから、栗崎園のお茶は全国的に評価が高い。こんど、そのお茶の歴史と半生記を聞きに行くことになった。
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その帰りに木下恒雄さん(90歳)を訪ねる。
もう18時。「里芋に水やりをしなくちゃいけない」というまでの10分間の講義を賜る。

「いま徴兵令を読んでいる。これを見ると、長男と役人の子供は徴兵されないんだ。なので、金持ちは次男を養子に出して、そこの長男にして徴兵を免れた。あるいは、新家を作り、若いのに家の当主にして徴兵を免れた」という。

「徴兵令」という法律をきちっと読んでいる。木下さんから学ぶのは、常に一次資料にあたっているところ。とくに法律、法令である。それによって、人々はどのような暮らしになったのか、あるいはそれを逃れるためにどう工夫したのか。そこにドラマがある。