過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

過疎地は、年寄りばかりだし、医療の心配はある。仕事が無いので、若い人が増えるってことは、ほとんどないし、どうも先がないですねえ

──先生、どうも風邪から副鼻腔炎になったようなんですけど。
「それは、手術しないと治らないなあ。耳鼻咽喉科に行くといい」

──まあほっておいたらそのうちなおりますよね。
「なんともいえんなあ」

──ところで、先生は80を超えておられる。いつまで続けられますか。100まで現役でいてもらわないと困りますよ。
「ううむ。まだ頑張るしかいいんだなあ」

──春野の診療所は、みんなお医者さんは80を超えておられる。あと10年したらどうなってしまいますかね。
「まあ、こちらががんばるか、住民が我慢してもらうしかないなあ」

──あの診療所も若い先生が来られましたが、一年でやめてしまいました。しかし、なかなかこんな過疎地に来てくれる医者はないですよね。

「むつかしいなあ。べつの診療所の先生は、わりと若いんだが、こないだ大動脈剥離になって三ヶ月の入院ときいた。それで、老先生が復帰してやっているそうだ。忙しいときは、こちらに患者がまわってくるよ」

──過疎地は、年寄りばかりだし、医療の心配はある。仕事が無いので、若い人が増えるってことは、ほとんどないし、どうも先がないですねえ。