妻:政治って、国民のためと言いながら、自分たちの利益誘導ばかりしているみたいね。
それををくつがえすには、また敗戦みたいなことがあって、そこから立ち上げるしかないのかも。
妻:じゃあ、日本がつぶれて、新しくつくりなおすしかないのかも。
ぼく:そうだね。落ちるところまで行かないとね。つぶれないと、新しい道がひらけないのかなあ。
───そうしたら、あかりが口を挟んできた。
あかり:ねー、日本がつぶれたら、あかりちゃんたちが住めなくなるよ。日本をつぶしたら、つくりなおすのに何曜日もかかるよ。
───「何曜日」というのが、おかしかった。
ぼく:そうだね。神さまが光をつくり、大地を作り、雨をふらせて、海を作る。生きものを作って人間を作って、それには何曜日もかかったね。そして、お休みが日曜日だ。
あかり:こないだ「がーちゃん」(あひる)のおうちがつぶされたとき、とってもいやだったの(お父ちゃんが、がーちゃんの積み木をつぶしたのを覚えているらしい)
ルンバ君が、ねこ太郎つぶしたときも、いやだったの(ルンバが掃除する時、あかりがたいせつにしていた、ねこ太郎の立体絵画をつぶしてしまった)。
あかり:神さまがまた作りなおしてくれなくちゃ。でも、何曜日もかかる。寝るところもない。だって、崩されるんだもの。