過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

医療崩壊の現実。160床もの大病院が閉鎖に追い込まれた

医療崩壊の現実。160床もの大病院が閉鎖に追い込まれた。
こうしたことから、他の病院としては、できるだけ検査はしたくない。陽性反応の患者は受け入れない、ということになる。
かくして、患者はたらい回しされる。処方すれば重篤にならずにすんだ軽症患者は、重症に至る。ましてや重症患者に受け入れ先はなく、死に至ることになる。おそろしい時代がやってくる。わが身に、わが家族にくるかもしれない現実。
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当院職員であることだけで世間からは接触を拒まれたり、さらには他病院からは非常勤医師の派遣も断られた。
病棟の新規受け入れ中止のみならず、発症者のいない他の二病棟も閉鎖、さらに外来の全面停止など、通常の感染対策では考えられない状況にまで追い込まれた。
まさに病院としての機能を喪失する事態になり、医療経済的にもその損失は莫大なものがある。
レポートではこのように書いている。以下、部分のみ引用。
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当院は、新型コロナ肺炎(以後COVID-19)によって命を奪われた日本で最初の患者さんが、発病当初に入院していた病院として実名で報道された。
当時は市中で新型コロナ肺炎が発症し始めた頃であり、疾患そのものの病態(潜伏期間、伝染力、伝播様式、ウイルス排出期間など)が分からず、かつ治療方法さえも不明であった事から人々から恐れられ、様々な憶測に基づく風評被害にさらされた。
多くの報道で当院の空撮写真とともに「相模原中央病院」の名前を賑わせたことは記憶に新しいと思う。報道発表の直後には、先の患者さんの入院中の対応に当たった看護師が新型コロナ肺炎を発症し、さらには当該病棟の入院患者3人に院内発症し、感染伝播させてしまう事態に至った。
その後は、当院職員であることだけで世間からは接触を拒まれたり、さらには他病院からは非常勤医師の派遣も断られた。病院機能としては、当該病棟の新規受け入れ中止のみならず、発症者のいない他の二病棟も閉鎖、さらに外来の全面停止など、通常の感染対策では考えられない状況にまで追い込まれた。
まさに病院としての機能を喪失する事態になり、医療経済的にもその損失は莫大なものがある。当院は160床の地域に密着した一般病院であり、外科系(外科、整形外科、脳神経外科)が主体の二病棟と、高齢者の受け入れに積極的に取りくむ地域包括ケア病棟の一病棟を有した病院である。
この病院の規模では常勤の感染症専門医、呼吸器科専門医はいない。こうした中でCOVID-19の発生を招く事態となった。
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