過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

「切身整体」について

マッサージもするが、指圧もする。
ポイントは、指の力で押さない。体重で押す。というよりも、体重をかけて、それを指で支える。そうすると、相手にずしっと響く。こちらは、疲れることはない。
--------------------
「切身整体」(せっしんせいたい)というメソッドを開発した友人がいた。「切心整体」と書くのかもしれない。
「切」とは、「切る」のま意味ではなくて、大切の切だ。「適切」(ぴったり合う)「痛切」(心に深く感じる)の「切」だ。
その整体法は、「垂直に押す」だけ。「体重を預けて、垂直に押す」。自分の体重を手で支えることで、押すという効果があらわれる。
垂直に押す。これが、なかなか難しい。しかし、わかってくると、まさに適切な整体の効果がある。
力ではない。自分の体重の支えとして押しているわけで、疲れることはない。
--------------------
その友人は、とてもおもしろい。
70年代ヒッピームーブメントの時に、サンフランシスコにいて、禅を指導していた。宇宙飛行士やらイェール大学の教授やら、サイケデリック・アーティスト、ミュージシャンやら、いろいろな人が学びに来ていた。
その後、奈良の天河神社の近くに移り住んだ。はじめてお会いした時、おたがいにいきなり、ヴィパッサナー(よく観る、というテーラワーダの行法。いまでいう、マインドフルネスの源泉)の話をしたことを思い出す。20年も前の話だが。
東京にやってくるときには、いつもわがやに長期滞在していた。
--------------------
笹目仙人という方がいた。大本の出口王仁三郎から、神殿が軍部によってダイナマイトで破壊されようとする時、御神体を預かって崑崙山の頂上に埋めてきたという方だ。その仙人の道院で、ばったり彼と再会した。
「近頃、足が痛くて」という仙人を、彼はその「切身整体」で治してあげていた。その隣で、ぼくは仙人の崑崙山体験を聞いていたのだった。
--------------------
惜しいことに、かれは、数年前、アメリカで亡くなったしまったが。
ともあれ、その切身整体、ためしてみよう。