過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

あれは、オリオン、あれは北斗七星。

子供は眠たくなると、ぐずりだす。なにを言っても不機嫌で理不尽だ。
困ったなあ。そこで、思い浮かぶ。
 
──そうだ。お月さまがきれいだよ。星がきれいだよ。見に行こう」
「さむいので、いやだ」
──じゃあ、リヤカーに乗せてあげる。湯たんぽ入りのシュラフにくるまって、頭だけだして、ぽかぽかに温まって、お星さまを見に行こう」
「じゃあ、いくー」
 
ということで、あかりを連れ出して、冬の星座を見に出かけた。
 
ビュービューと外は寒いし、足元も数メートル先も見えないまったくの闇の中。
妻とあかりと三人で、あるきだした。
 
あれは、オリオン、あれは北斗七星。
天の川もちゃんと見える。三日月が冴え渡っている。
 
「うわあっ。お父ちゃん、星がきれいだね。お月さまも光っているね」
──そうだね。ほんとうにきれいだね。宝石箱みたいだ。外に出てみてよかったね。
「うん。そうだね。お父ちゃん、ありがとう」
 
そんな会話をした大晦日であった。
 
まあ、どこに行かなくても、ここでいい。この春野の山里の自然とともにある暮らしを大切にしていこう。
 
日々起きてくる、さまざまな現実に直面しながら、すすんでいこう。
 
自体を解決する道はただ一つ。そのものに「直面」するだけ。
直面しなければ、事態の進展はない。逃げたら、追っかけてくる。もっと大きくなる。
まさに、カルマ・ヨーガの世界。
 
来る年も、さらに波濤のはげしい一年になると思う。自分の選んだ道。