過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

帝国データバンクが訪ねてきた

突然、帝国データバンクが訪ねてきた。一般社団法人を設立したので、それで確認に来たというのだ。5月に設立して、なにも取引なし、銀行口座も開いてない。決算もあるはずがない。なのに、こんな山里にわざわざ調査にくるなんておかしい。

─ははあ、こんどの事業継承で、地主が借地権を認めないといっているが、その件で信用力を調べに来たのだなあ。そう思った。

ちょうど、あかりを幼稚園に迎えに行く時だ、ところが、クルマが故障して動かない。その方は、「ここで待ってます」というものの、時間がもったいない。「じゃあ、おたくのクルマで幼稚園に一緒に行きましょう」とクルマの中でおしゃべりすることにした。

こういう場合、ぼくはヘンにフランクで、あたかも旧知の友人のようにあーたらこたら話してしまう。調べられて困ることは、なんにもない。

「う〜ん。池谷さんのやっていることを、一言でなんと表現したらいいのかわからない」と、彼は頭を抱えていた。

さて、幼稚園に行ってあかりを連れてきた。「おそらく、これは地主の調査と思うんで、ついでに依頼主の家まで案内しましょう。それから、事業を継承しようとしている場所も案内しましょう」と、あけすけに連れ回った。あかりは、後ろの座席で眠たそうにしてた。

「信用調査っておもしろそうな仕事ですね。ぼくもやりたいと思ったことがありました」と言うと、「池谷さんなら十分にできますよ」。「じゃ、こんど仕事を紹介してくだいね」といって別れたのであった。