過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

達人老師たちのワークショップだった

鍛冶屋さん。86歳。片桐さん。佐久間町におられる。地金から焼き付けて鋼に、そして研ぎまで全部自分でやる。さらには、こうして販売までやる。2枚目の写真、槍みたいなのは、柄をさして使う。イノシシを仕留めるときに使うのだ。また紐がついているのは、山仕事の人の必需品で。ナタとノコギリのセットだ。

むかしは、村には必ず鍛冶屋さんがいた。鋤、桑、包丁などつくったり修理した。竹細工やさんもいた。箕やお茶を摘むカゴなど必需品。桶屋さんもいた。大工さんもいた。そういう職人たちが、かならずいたのだった。

足腰が痛くなってきたもんだで、つらいけど。それがなけりゃあまだまだがんばれる。弟子がいればきたえてやるだが、いないもんだで、ぼくの代でおわりだ。片桐さん、人懐こい笑顔でそう言っておられた。

2年前、鍛冶屋の片桐さん(86)、和紙づくりの大城さん(87)、竹細工の梅沢(87)さん。この三人の方のトークイベントを企画したことがあった。達人老師たちのワークショップだった。