過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

どうして水田にするのか

「どうして水田にするのか」……これまで田んぼをやっていて、実のところよくわかっていない。で、なんとなくわかったこと。ひとつは「雑草対策」だ▲川から水を引いて田に溜めておけば、空気に触れないので雑草が生えにくい。浅水となって土が空気に触れたところなど、すぐに草が生えてくる。写真のように、畦に生えた勢いのある草を見るとよくわかる。

あとひとつは「栄養」だ▲山から流れてくる沢の水を引くことで、いろいろな栄養素が運ばれてくるんだと思う。ぼくたちの田んぼは、それで今年は、まったくの無肥料・無農薬でやっている▲雑草対策ということでは、いろいろ試してみた。ひとつは米ヌカをたくさん播くことで、アオミドロが発生する。それが水田を覆うと、日の光を遮るので雑草が生えてこないともいう。これは実験中。

雑草対策と栄養のためにも、「冬期湛水」するつもりだ▲いまほとんどの田んぼはイネ刈りが終われば、田んぼは乾いたままだ。それを、川の水を引いて水を湛えておくのだ。そうすることで、雑草を抑えられるのではないかと思う。さらには、微生物が増え、土が発酵して栄養素となる▲イトミミズ、魚類などが暮らせる。さらにそれを捕食す鳥たちがやってくる。まさに「ビオトープ」(biotope)となって、さまざまな生きものたちが暮らすフィールドになる。生物多様性の観察もできる。そうして、美しい冬景色ともなる▲このように田んぼをやると、いろいろなことを総合的に学んでいくことになる。