過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

サイゼリアの話

浜松でも外食チェーンの「サイゼリヤ」をよく見かける。安くて美味しい。あれやこれや頼んでも千円ちょっとだ。近ごろは、ここで企画書をまとめたりしている▲こないだ駅の近くの店に入ったら、なんと小中学生が宿題やら受験勉強を熱心にやってた。平日の昼間は、主婦たちでいっぱいだ。仕事の打ち合わせにも、なかなかいい。ちょっと騒がしいけどね。

10年くらい前、正垣社長の高級マンションを訪ねて、取材させてもらったことがあった。ものすごくおいしいワインもいただいた。こんな話が印象にのこっている▲正垣さんは、東京理科大を卒業して、レストランを開店した。みんなからは「水商売みたいなものは、やめろ」とよく言われたという。店は開いたが、お客さんはちっとも来ないし、従業員に給料が払えない。いざこざも絶えなかった。ある時、店にやってきたヤクザと喧嘩して、ストーブを投げつけられて、店は全焼してしまう。

「当時は、仕事をしていてつらくてつらくて。そんなとき全焼したんだから、やめる絶好の口実ができたと思った▲でもおふくろが、「お前のために火事があったんじゃないか。火事なんてだれも経験できないんだ、がんばれ」と言われた。その時、よーし火事に遭ったんだから、なんでもできるぞと思ってがんばった。振り返ると、その連続なんですよ。

嫌なこと、逃げたしたいことはたくさんある。でも、逃げてもずっとつきまとってくる。いまは慣れたもので、よーし、これをどうやって乗り越えるか楽しみなんです。自分が乗り越えられないようなことは、ぜったいに来ないから。これまでの経験で言うと。かならず乗り越えられるから」▲そう語っていた。いまサイゼリヤは、一日の来客数は30万人を越えるまで発展した。あれだけの広い店を運営するスタッフがすごく少ないし、あわてふためいていない。仕組みがよくできていると感心する。