過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

なぜ定住促進が必要なのか

なぜ人口が減り続けていくのか、ということを計算してみた(算数が苦手なので間違えているかもしれないけど)▲たとえば、2012年の出生率は1.41だ。いま仮に集落の人口が100人(50組の夫婦)として、どのように人口は減少していくのか▲まず、生まれてくる子どもは70人。転出も転入もなく、かれらが結婚すると35組の夫婦だ。生まれてくる子どもは49人。その子どもたちが結婚して24組の夫婦。生まれる子(孫)は33人。その子ども(ひ孫)は22人。……こういう計算になる▲ざっくりいうと、いまの出生率では、ひ孫の代には人口は9割近くが減ってしまう(その親も同時に生きているので、厳密にはそんなに減らないけど)。

このまま行くと、日本の人口はどんどんと減っていくことはわかる▲とくに過疎地にあっては、さらに急速だろう。高齢化率が高いから、お年寄り人口は減っていく。仕事がないので、若者は転出する。だが、移住者はほとんどない。仕事がない、不便、学校がない、魅力と活気がないからだ▲ということで、子どもは生まれない。こうして限界集落になっていく。やがて集落は消滅していく。

消滅に向かう過程にあって、いろいろな不便が出てくる。そこがたいへん▲お年寄りは病院通いが必要になってくるが、車が運転できなくなって困る。客がいなければ商店は閉じる。ガソリンスタンドはなくなる。銀行はもとより郵便局もなくなる。バスも来なくなる。道が荒れても崖崩れがあっても、舗装してくれなくなる。行政コストはすごく高く付いてくる。

だからこそ、いま定住促進の手を打つ必要がある▲若者が田舎暮らしをしたいというトレンドがある、いまがチャンス。山里の魅力を伝え、全国に発信する。たくさんある放置空き家を提供していくことは、ひとつのポイント。そうして、若者が一人、二人と移住してきたら、流れを少し変えられる▲そうして、動き出す。弾みが付いてきたら、あとは慣性の法則で展開していく。最初の流れを起こすこと、それがとても重要なこと。