過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

拝んでくれると聞いてきた、と

工事をするので、お地蔵さんを拝んでもらいたいと、知り合いの鉄工場のおやじさんが頼みにきた。古い神社の鳥居をこわして、新しいものに作り替えたいという▲「見えない世界のものは、ヘタにいじると怖い」。でも、池谷さんなら拝んでくれると聞いてきたという。まあ、「頼まれごとは試されごと」と思っているので、快く引き受けた。

一緒に出かけてみると、犬居城という山城の麓の神社。すでに、稲荷神社の赤い鳥居が潰されていた。そばに安置されていたのは、庚申信仰青面金剛の石像であった▲庚申信仰は中国由来のものだけど、青面金剛密教の法具を手にしており、きっとインド由来の神様だろうな。▲すぐ近くには、村の墓場。土葬していたんだろうな。すこし怖い。

まずは稲荷神社に挨拶。祝詞を奏上して、「鳥居の工事をしますので、よろしくお見守り下さい」とご挨拶▲それから、青面金剛像の前で、お香を焚いて、『法華経』の自我偈、舎利礼文、本覚讃などを唱えさせていただく。これ、祝詞でいいのか、『法華経』がいいのか、それで神様が喜ばれるのかよくわからないけどね▲ともあれ、長きにわたって、この地域の人達が大切に拝んできて、いろいろな念・思いの層が神社に石像にくっついているかもしれない。ので、そういうものに対して、敬意を表するというような意味あいもある。

これでおやじさんも安心して工事に入れると喜んでおられた▲ぼくはまったくの奉仕でお金はいただかない。だいたいプロじゃないしね。欲心を起こすと、霊的な余計なものがくつついてくる心配もあるので、神様ごとは、無報酬がいい。