過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

禅寺を訪ねる

昨日は、禅寺を訪ねた。滝泉寺(りゅうせんじ)という。あるとき、ふと入った喫茶店で、禅僧が法話会を開いていた。参加費も取らず、お話は5時間も6時間もえんえんと続いた。その方が、このお寺の井上哲玄老師であった。そのときのご縁で、寄らせていただいたのだ。

突然の訪問ながら、暖かく迎えてくださった。禅堂も見せていただく。なんとこの禅堂は一年365日、いつでも自由に坐ることができるという。▲日本には禅寺は2万か寺くらいはあると思う(曹洞宗だけで1万5千か寺、その他臨済宗黄檗宗など)が、坐禅できる寺というのは、なかなかない。▲坐禅したいと禅寺を訪ねたら、まず迷惑な顔をされる。このお寺のように、自由に座禅させてもらえるというのは、まったく稀有なことだ。

この老師の父上は、井上義衍(ぎえん)老師といい、禅の世界では知る人ぞ知る透徹した方のようだ。老師を慕って、全国から悟りを求める雲水たちが訪ねた。川上雪担老師、原田雪渓老師、板橋興宗老師などが参禅されたという。堂内には、つねに雲水たちがにいて、共同生活していた。

井上義衍老師のお写真を拝見すると、柔らかで飄々としておられる。五人の子息は、みな出家されている。みな小浜の発心寺、原田祖岳老師のもとで修行された。これもご縁。義衍老師の法話のエッセンスなど、機会があれば、編集させていただこうかと思った。