過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

いのちを奪うというリアリティ

金網のネズミ捕りには、いっこうにかからない。猫はまったく関心なし。台所に現れたシマヘビは、一匹呑みこんで去っていったようだ。そんなわけで、どどどーと天井を走るネズミは、無敵だった。▲餌になるものを遮断すれば、やがてどこかに行くだろう。仕方がないと、半ば諦めていた。

で、こないだ強力粘着のネズミ捕りのことを知った。ゴキブリホイホイの巨大なヤツ。業務用のを買ってきて、台所の奥などに敷き詰めた。▲今朝、ドタドタ、キューキューと音がする。台所の奥だ。おお、かかったようだ。懐中電灯で照らすと、二匹がもがいている。母親と小ねずみのようだ。▲ネズミは目が可愛い。しかしここで、心を鬼にして、庭の焚き火に放り込むことにした。新聞紙と共に点火。炎がうつると、キューキューと悲鳴を上げて暴れていたが、やがて静かになった。

都会暮らしでは、生きものを殺すのは、せいぜい蚊とハエとゴキブリくらいだった。山里に暮らすようになるとそうはいかない。▲マムシ、ネズミなどを殺すことにもなる。タヌキ、シカ、イノシシも。ときにはクマもでる。大きいだけに、まさにいのちを奪うというリアリティがある。