過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

よく気をつけるということ

「よく気をつけている」というのがブッダの教えの中核にある。原始経典の「ダンマパダ」や「スッタニパータ」をには、そういう言葉がよく出てくる。「よく気をつけている人こそが、渡りがたい激流を渡り得る(ダンマパダ174)」。

わたしたちは、日常、よく気をつけて生きていない。それは、だいたい思考の世界にいるからだ。▲歩くとき、立つとき、坐るとき、食べる時、排泄するとき、気をつけとていない。そのときの行為とは別のことを考えている。頭と体がバラバラ、心ここにあらず、だ。▲ブッダということは、「いま・ここの身体の動きに気づいていなさい」ということだ。

ところで、こないだから、シマヘビがネズミを狙って台所に侵入してきている。10畳ほどの台所なので、どこに潜んでいるのかわからない。どうも長滞在しているみたい。でも、怖くてたまらなかったが、時が経つと、慣れてくるもんだなあと、われながら感心している。まあ、ネズミ退治をしてくれていると思って、可愛がることにした。

とはいうものの、突然に、ヘビがあらわれるとあまりにびっくりする。ので、そろりそろりと歩き、ものを動かし、目を見張る。よおく注意して行動している。でも、あまりに注意しすぎると、緊張で疲れてしまう。ので、リラックスしながら、それでも油断しない。▲ゆったりしながら、即座に対応できる体勢でいる。「気をつける」というのは、そんなあたりかなあと思う。そんな日々から、ブッダのことばを思い起こした。