過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

インドの宗教事情 シーク教徒

スワルナーリ女史との対話⑤ インドの宗教事情
●───インドは、たくさんの宗教があります。ヒンドゥー教イスラム教、シーク教キリスト教ジャイナ教、仏教、ゾロアスター教ユダヤ教など。
シーク教徒は警官とか軍隊とかドライバーには多いですよね。ターバンを巻いて、恐ろしげな風貌で体格がいい。心はハートフルだと思いましたが。
シークの総本山のゴールデン・テンプルに泊めてもらったことがありました。入り口の門番が槍を持っていたのには驚きでした。そして、みんな体格は堂々としていますね。見た目も恐ろしい。
しかも、博物館みたいなところでは、「われわれはいかにイスラムと戦ってきたか」を示す画像が沢山ありました。それこそ血まみれの姿をした画像でした。


イスラム勢力はパンジャブ地方から侵入してきました。かれらはイスラムと戦ってきたんです。戦うために、肉を食べ武術を習い、体を鍛えてきたんですね」


●───暑い国なのに、あんなに髪を伸ばしてターバンを巻いたら暑くて大変と思いますが。しかし、どうしてあんなに髪を伸ばしてターバンを巻いているんですか?


「ターバンを巻くのは理由があるんですね。シークは髪を切らないで伸ばす。髪を伸ばすのはイスラムとの戦いのためでした。頭を切られても怪我をしないように。髭を伸ばしているのは、首を切られないように。


●───なるほどそうでしたか。そして、かれらはいつも小刀を携えていますね。先っぽが曲がっているやつ。


「それは、相手を殺すためですね。先っぽが曲がっているのは内蔵をえぐるんです。だから、相手は刺されたら助からない」


●───ううむ。女性はどうなんですか。

「女性も持っている場合がありますよ。それは、相手を殺すためと言うよりも、陵辱されないために、自分を殺すために持っている。わたしの母も、シークではありませんが、いざというときのために、毒薬を持っていましたよ。自分で死ぬためですね」


●───パンジャブ地方は、イスラムとの戦いの最前線だったんですね。グル・ナーナクの教えは、イスラムヒンドゥーと融和したところがありますね。
ところで、シーク教の総本山のゴールデン・テンプルに泊まったことがあります。バジャン(讃歌)をよく歌っていました。美しい旋律でした。ぼくはじっと聞き入って瞑想してました。そして、深夜の2時ころに大きな祭があったそれにも参加しまた。
また、境内の要所要所には高いところに館があって、そこでシークの僧侶のような人が、半畳くらいの大きさの聖典グル・グラント・サーヒブ』をめくっていました。


「あれは、日本の禅宗大般若経転読の式典みたいなものです。日本では経典を読まずに、パラパラとめくって風通しするでしょう。あれで、読んだことにしているわけですよね。それに似ています。彼らはちゃんと、読んでいるわけじゃあないんです」


続く