スワルナーリ女史との対談④
───モディ首相が、アヨーディアのヒンドゥーテンプル建設を進めましたね。アヨーディアは、ラーマという神の聖地。そこにテンプルがあったのに、イスラム教徒が破壊してモスクを建てた。そしてまた、ヒンドゥー教徒が破壊してテンプルを建てた。そのようなことが何度も繰り返されて、ヒンドゥーとイスライスラムの争いのシンボルのようになっていました。
「モディは、いまもっともインドで人気がある首相です。G20でも、そのリーダーシップを発揮しています。そのモディは、インドにある4万のモスクを壊すべきだと主張しています」
───モディに指導力があるのは、わかります。庶民にとても人気があります。権威的ではなく、ざっくばらんで威厳がある。しかし、とはいうもののモスクを破壊してテンプルを建てるなんて‥‥。またイスラム対ヒンドゥーの争いが激化しそうですね。
「すべてのモスクを破壊するというのではありません。もともと、ヒンドゥーのテンプルがあった聖地に、イスラムが破壊してモスクを建てたのです。その場所を取り戻すというんですね」
───なるほど、もともとはイスラムの聖地であったところ。
「そうです。ヒンドゥーにおいては、建物は二の次です。たいせつなのは、パワースポットなんです。そこがパワースポットにもかかかわらず、イスラムがヒンドゥーテンプルを壊してモスクを建ててしまったんです」
───なるほど。そうすると、たとえば、世界遺産の「タージマハール」などはどうなるんですか。
「あれは〝墓〟ですよ。シャージャハンの妻の墓。ムガル帝国第5代皇帝シャー・ジャハーンが亡くなった最愛の妃ムムターズ・マハルのために建造したんです。
しかも、ヒンドゥーのテンプルを破壊した上に建てられた。タージマハールといえども、破壊されるべきと思います」
───おお。なんという。
「インドだけではなくて、すべての先住民の聖地の上に建てられた教会やモスクは破壊されなくちゃいけないんです。たとえば、アステカもマヤもインカも、聖地の上にキリスト教の教会が建てられているんです」
───なるほど。〝パワースポット〟という見方、あらためてわかりました。
続く