過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

ビッグモーター問題と損保ジャパン 裁判に勝ったことあるよ

いまテレビで賑わっているだろう、ビッグモーター問題。
テレビないので見てないけど、社長の会見は見た。
どうも組織ぐるみの不正請求ではないかという印象。現時点で不正作業にか関わったものが104名という。
ところでしかしこの社長、初代でここまでの大きな会社にした手腕は相当のもの。そのへんのアホな世襲議員と違って、実力、根性、統率力、たいへんなものだろう。
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マスコミが切り込まないのは、損保ジャパンが延べ37人もビッグモーターに出向させていことである。
そのうえ、事故を起こした契約者をビッグモーターに誘導していた。その見返りに自賠責の契約を割り振ってもらう。ビッグモーターが水増し請求できた背景はそこだ。すなわち、両者はズブズブの関係にあった。
ほとんど日本は、みんなそんな感じ。産業界のみならず官僚の特殊法人天下り、役人の天下りも同様かもしれない。
さて、マスコミはビッグモーターたたきだけに終わるかどうか。
損保ジャパンにメスを入れられるかどうか。
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これは自慢話。
10年前だけど、損保ジャパンを相手に裁判したことがある。相手は、弁護士三人。こちらは、自分だけ。訴えてから、8ヶ月で判決が下りた。完勝した。
事件の背景は、ディーゼル車のハイエースに、ガソリンスタンドでガソリンを入れられて、廃車になったこと。「10年以上のクルマは減価償却しているので、その価値は10%」と損保ジャパンは譲らない。10%で代替品が買えるわけがない。
押し問答で埒が明かないので、損保ジャパンを訴えた。
こちらは、「最高裁判例」を踏まえて中古車の市場価格で賠償せよと主張。
諸費用や陸送代も。ETC、カーオーディオ、カーナビなどの付帯設備も賠償せよと主張。
さらには被告はほとんど謝罪もせず、なんら善後策を講じず、こちらは多大な迷惑を被った。その迷惑料=慰謝料も支払えと主張した。判決では多少は減額されたが、こちらの主張はほとんど通った。
相手が控訴すると、こんどは高等裁判所での裁判となる。マスコミも取り上げるかもしれないので面白いと思ったが、控訴してこなかった。
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交通事故など多くの場合、被害者は保険会社の提示する額に泣き寝入りとなるケースが多い。
しかも加害者は、ほとんど謝罪してこない。だが不満ならば、自分で裁判を起こせばいい。
弁護士をやとわなくても、ネットで検索しながら書面をまとめていけば、こうして勝てるというわけだ。
最高裁判例をネット調べていたので、当然、勝てると踏んだ裁判であった。
慰謝料までは難しいかなと思っていたが、全面的に認めてもらえた。
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訴えを起こすための費用は、1万円以下でできる(損害賠償の額にも依るけど)。弁護士を雇わないで、自分で書面を書いていけば、その他にかかる費用は、裁判所の往復の交通費くらいのものだ。
だめだろう……と思ってしまったら、そこでまったく事態は動かない。ほんのすこしでも光、針一本でも可能性があると思えばしぶとく探求してみればいい。動かない事態でも、それはだめだという思い込みかもしれないからね。
これまでの裁判歴は三勝一分け(和解調停)。
ポイントは、①客観的な事実の証拠があるかないか。②過去の判例を調べて勝てる戦いをする(ネット検索で大した苦労はいらない)。③時間があめかないか。最低でも一年はかかる。その間、集中力が要る。
とてもいい経験になった。相手が損保ジャパンというところが、じつに気持ちが良かった。ともあれ、体験知が得られるは財産である。