過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

損害賠償責任について

クルマをこわされた。こちらは4年前のもの。

ディーゼル4駆のクルマに、ガソリンスタンドがガソリンを入れたことが判明。油の入れ替えだけでは済まず、エンジンが壊れてしまった。責任を問うと、「ガソリンを入れてくれと頼まれた」と言いだす始末。

損保会社とやりとりする。「10年以上のクルマは減価償却しているので、その価値は10%」。損保ジャパンは譲らない。

押し問答しても事態はすすまない。「じゃあ、裁判で決着しましょう」。損害賠償責任の訴訟を起こした。中古車市場の価格を賠償せよ。そして、いくらかの慰謝料も。

損保会社(損保ジャパン)は、弁護士3人。こちらは自分だけ。この程度の裁判でも一年かかった。そして、完勝した。

最高裁判例をよんでいたので、当然、勝てると踏んだ裁判であった。慰謝料までは難しいかなと思っていたが、全面的に認めてもらえた。

他人の権利を侵害したら、損害賠償の責任を負う。これは民法の大原則だ。悪意があろうがなかろうと、ついうっかりでも、だ。

とはいうもの、いろいろ例外はある。こないだ友人が隣家の失火で全焼となったが、「出火責任法」では、出荷した者の責任は問われない。賠償しなくてよいのだ。この法律は、憲法に照らしておかしいとおもっている……。

それから、原発事故の場合。「放射性物質は特定有害物質ではないので、放射性物質の放出は合法である。従って放出した東電を罰することはできない」(環境省見解)という。そうして、東電は、想定外の自然災害として、責任を問われないという論法も可能になってくる。

こういう問題意識が若いときにあれば、しっかり法律学んだのに、遊び呆けていた。ざんねん。


4年前の日記から--------------------------------------

昨日、ついにハイエースタイミングベルトが切れて「ご臨終」ということを書いた。で、廃車にして、次はいすゞのビッグホーンにとも考えていた。廃車するにしても、ハイエースだと海外に売れるので、高く買ってくれるという業者がいた。もしも10メートルでも動けば、5万円というので、もういちど修理工場に行く。

もしかしたら、エンジンがかかるかも……、とキーを回してみたら、ぶすん、ぶすんぶすん、ごごごごーーーー。ややや。難儀しながら「かかった!」。──ということは、タイミングベルトが切れたのではない。切れてたら、まったく動かないはず。では、燃料噴射ポンプがダメなのか、どこかノズルが詰まっているのか……と考えてみて、「ああ、もしや」と気がついた。

「ガソリンスタンドで、ガソリンを入れ間違えたんじゃないか」と。──レシートを見たら、案の定、「ガソリンの値段」になっていた! 「まちがいない、ガソリンと軽油を間違えたんだ」。ということで、ガソリンスタンドのミスと判明。ガソリンを抜いて、フィルターを交換して、エア抜きをして軽油に入れ替える。その費用2万円は、ガソリンスタンドの負担でやってもらうこととなった。

もはやだめだろう、ということなら、そのま廃車になっていたところだ。人生、だめだろう……と思ってしまったら、まったく事態は動かないよね。ほんのすこしでも光が、針一本でも可能性があるかもと、しぶとく探求してみるのが肝心。動かない事態でも、だめだという思い込みかもしれないからね。ということで、今回は、とてもいい経験になった。