過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

ガソリンスタンドが次々と閉店に

石油ファンヒータの灯油が切れた。ちかくのガソリンスタンドは昨年末に閉店となった。もう少し先のガソリンスタンドは2年前に閉じた。さらにその先、クルマで20分くらいかけて灯油を買いに行く。「うちも、あと5年もつかなあ……」とオヤジさんは言っていた。

こないだ寄ったガソリンスタンドも、「いつやめようか、どうしようかと毎日、話しているんですよ」と言っていた。夫婦でともに80歳を超えていた。

山里は人口が少ないので、売上が少ない。価格競争による利益率の低下もある。また、設備投資にカネがかかる。地下タンクは古くなると使い続けることができなくなるので、入れ替えるか内部コーティングする。その費用は、最低数百万円もかかるという。とうてい、それを回収できる見込みはない。

さらには、廃業もむつかしい。ガソリンスタンドを更地にするには莫大な解体費用がかかかる。その店のオヤジに聞くと七百万円はかかるという。なので閉店したスタンドは、そのまま廃虚になっている。

さて、閉店したガソリンスタンドを、みんなで出資して稼働させようとしても、これがむつかしい。廃業届を提出すると、地下に埋設しているタンクの中に砂を入れなければならないという。だから、もう二度と使えないのだ。

ガソリンスタンドは、山里のいわばライフライン。これがなくなると、山里の暮らしが成り立たなくなってくる。