過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

人間も宇宙から見れば細胞みたいなもので、死んで生まれては死んでいくのかも

「ねえ、おとうちゃん。ランに大きなイボみたいのがあるの知ってる? あれ、大きくなっていくのでガンかもしれないよ。」

──うん。知ってるよ。となりのラクちゃんはこないだガンで死んじゃった。ランの唯一の友だちだったんだけど。ざんねんだった。

「どうして、ガンって起きるの?」

──ガンというのは、異常にある部分だけが細胞分裂して増殖していく。そこだけコントロールが効かなくなるんだね。

細胞分裂って?」

──生きものは、ほとんどが細胞でできているでしょう。そして、細胞は死んでは生まれ、死んでは生まれといく。それが細胞分裂。ええと。皮膚は約28日 赤血球は約120日 肝臓の細胞は約150日 筋肉は約200日 骨は約3年で死んで入れ替わる。でも、あかりはあかりとしてこうして生きているよね。
で、人間も宇宙から見れば細胞みたいなもので、死んで生まれては死んでいくのかも。そして、宇宙は残り続ける。

「でも人は死んだら、どうなるの?」

──そこがわからない。死んだことないからね。自分の体でいうと、体内にはたくさんの細胞があって、つねに新陳代謝といって、死んでは生まれていく。でも、自分というものはずっとあるよね。おなじように、人間も死ぬと大きな宇宙みたいなところに一体化していくのかもしれない。そしてまた、生まれてくる。

「こないだ読んだカツオノエボシの話みたいだね。カツオノエボシは、ヒドロ虫が集まってできているんだよね。それぞれのヒドロ虫が死んでも、カツオノエボシはいきている。」

──あん。また、そのあたりは、考えていこう。