過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

「ねえ、おとうちゃん。どうしていつも文章を書いているの?」

「ねえ、おとうちゃん。どうしていつも文章を書いているの?」
──それはね。文章を書くのがおとうちゃん仕事なんだね。それを本にして本が売れれば、お金になる。だから書く。それとね、文章を書くと頭が整理されるんだね。それって、おとうちゃんは大好きなんだよ」

「そうなんだ。でもどうして、頭が整理されるの?」
──文章書くというのは、ポイントを絞ることになるでしょう。
絞るというのは、そのほかのことを捨てることになる。そして、人が読んてもわかりやすい、読みたくなるような文章にするために、いろいろと工夫する。その過程が、自分の頭を整理することになる。

「そうかあ、あかりも書いてみようかなあ」
──毎日、書くといいよ。日記でも、絵日記でも。なんでもいい。

「でも、何を書くのかなあ?」
──ほら、さっきハエたたきでハエを叩いたでしょう。それって人生で初めてのことだったよね。そのハエを叩く瞬間のことを書くといい。

「どうやって?」
──うん。たとえば、「ハエを殺した。はじめてのことだった。嬉しかった。ハエは死んでしまった。ハエにしてみたら、いやだった。ざんねんだった」みたいなことでもいい。それと、絵も一緒に書けばいい。
これは、毎日やると、とても楽しいことなんだ。書くための材料は、毎日の暮らしの中で、たくさんある。なんでもいい。それを選んで書くというのは、楽しいよ。