「おとうちゃん、これはなあに?」
──うん、それはね。
と言おうとしたらケータイが鳴る。電話でいろいろやりとりして、そのままパソコンに向かう。
「おとうちゃん、さっき話しかけた続きってなあに?」
──うん?なにか話たっけ?。
もう、そのこと自体を忘れてしまった。
「おとうちゃん、ほら、言いかけて電話に出て、それっきりじゃない」
──ああ、そうだった。言いかけてたよね。もう忘れちゃった。おとうちゃんは、3歩あるいたら忘れてしまうんだよ。
「そうなんだ。でも、3歩あるくことは、忘れないんだね」
──うん。そりゃそうだ。まあ、あかりがそうやって、言葉を切り替えしてくることをFacebookに書いておくよ。
「イイネつくかも」
──まあ、ネタとしては、たいしたことないので。もひとつ、ひねりがほしいところだけど。メモとして残しておくよ」