「あかりちゃんは、やっぱりお姫さまになりたいの。そうして、お金もちになるの」。
──そうか。お金もちはいいよね。それで、お金もちになったらどうしたいの。
「お金もちになったら、ほしいものがいっぱい買えるでしょう。好きなところに行ける。もう仕事しなくてすむし」。
──どうしたらお姫さまになれるの?
「それはね、流れ星があるでしょう。流れ星を見たとき、お願いをするの。そうしたら、なれるんだよ」。
──おお。それはいいなあ。お父ちゃんも、そうしてみようかなあ。でも、もおとうちゃんは、なにになりたいかなあ。
「あのね。おとうちゃんは、王子さまになればいいよ」。
──ふーん、それっておもしろいかなあ。
「おもしろいよ。だって、王子さまになったら、あかり姫に何でもやってくれるの。あれして、これしてといったら、やってくれるの」。
──それって、王子さまじゃなくて、たんなる召使いってこと?
「うん。そうだよ」。