過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

神は見たことのない、聞いたことのない、心に思い浮かんだことのないものに導いてくれる

「目が見たことのないもの、耳が聞いたことのないもの、そして、人の心に思い浮かんだことのないもの。神を愛する者のために、神の備えてくださったものは、みなそうである。」(コリント2章9節) 
あかりと図書館にいった。絵本をたくさん借りてきた。
その帰り、渥美さんの家に寄った。
猫がいるので、あかりに猫を見せたくて。
訪ねると、さきほど富山から帰ってきたところだという。
富山では、個展(夫婦展)を数日開催していた。
ふたりとも石に猫を描く作家である。
突然の訪問ながら、気軽に雑談。コーヒーをいただく。
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渥美さんが石猫作家になった経緯についてお聞きした。
春野に移住したのは、ペンションを経営しようとしたからだった。
川の畔に土地を求め、家を新築した。
はじめの一年は、友人知人がたくさんきてくれた。
しかし、数年して、さっぱり来なくなった。
家の借金もある。見通しは暗い。やっていけそうにない。
もう、ペンションたたもうか、仕事に出ようか。思い悩んだ。
そんなとき、娘さんが河原で石をひろってきた。それに、ネコの絵を描きだした。
「これはいい」。夫婦で石に猫を描き出した。
やがてクラフトフェアなどに出店し、個展もするようになっていった。
すこしずつ、売れるようになっていった。
そうして借金も返してしまった。
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すばらしいのは、夫婦で描いていること。
ともにクリスチャンなので、石猫の底にはかならず聖書の一節を刻んで、心を込めて描いている。
渥美さんは言っていた。
「あのままペンションがうまくいっていたら、あとあと苦しいことになっていた。まさに、神は見たことのない、聞いたことのない、心に思い浮かんだことのないものに導いてくれる。そのことを実感した」。