過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

まさに「よき隣人」

田舎暮らしの明暗。それは、ひとつには、よき隣人に出会えるかどうかだ。憎たらしい意地悪な人ってのも、たまにいるからね。それは疲れる。相手も疲れると思うけれど。

どこに住むか、どんな人に出会うか。まあ、そのあたりは宝くじみたいなもの。なにがあっても、天におまかせしかない。それで、私の場合、いい方に出会ってきたと思う。

この方(岩本さん83歳)は、まさに「よき隣人」。よく訪ねてくれては、おしゃべりする。きょうは梅の実をたくさん頂いた。私のクルマが故障したま放置していると、頼まれもしないのに直してくれたりする。デイサービスのために門松をこしらえたりする。
なにより、その人柄がいい。来てくださると、ほっと和むのだ。


こういう方の人生の軌跡をお聞きするのが、楽しみではある。中学を出てから、調理師をしたり、建具屋もやったり、工作機械の検査をしたり。ホタルのためにカワニナをあちこちから探して運んでくれる。どじょうすくい(安来節)の名手であり、ハモニカでデイサービスを慰問する。


いつもホタル公園の池の周りの草刈りをしたり。草野球チームのピッチャーで3番打者をして、県内外に遠征してた。だがもう、腰が痛くて引退した。長いこと、猟師もしていた。


忙しくて、もうあちこち旅もできない。人との出会い、その人の人生を聞いて、味わうというのも、旅みたいなもので、田舎暮らしのひとつの味わいである。