過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

春野にほたる公園がある 水を引くという問題

春野にほたる公園がある。毎年、6月頃にはたくさんのゲンジボタルが舞う。ビオトーブになっている。ホタルの餌は、カワニナという巻き貝の一種で、これは岩本さんという方が、あちこちに行って探してきて、水辺に放している。

この公園は気田川から水を引いている。河川法では、農業用水としてならよいが、そうでないと引いてはならないという。この集落には田んぼは一つもない。みんな田んぼはやめてしまって、いまは盛土になっている。

岩本さんから相談を受けた。このままだと、水が引けなくなって、ビオトープがだめ。ホタルもだめになる。どうしたものか、と。

じゃあ、小さくてもよいので、田んぼやりましょうか。集落のみんなが田植えして稲刈りするなんてたのしいじゃありませんか。ぼくは道具はほとんど揃っているので、できますよ。

そう言ったものの、休耕田をよみがえらせるのとはワケがちがう。ゼロから田んぼを作るというのは、たいへんだ。

なにかいい方法はないか。県の役人さんが、ちょうど楽舎を訪ねてくれたので、公園を案内して聞いてみた。

このビオトープで農作物を作ればいいのではないか、という。では、どんなものがいいか。それは、たとえば、クレソン。ワサビ。レンコン……。

なるほど。田んぼを作る必要はない。いちばん簡単なのは、マコモダケ。移植するだけで勝手に生えて、実る。食べられる。ただ、せっかくの清流をつかって栽培となると、ワサビがよさそう。あるいは、蓮根も美しい。

近くにはヤママユを栽培するクヌギの林もある。ホタルとヤママユ。そして、ワサビに蓮。そんなことも考えてみた。