過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

こんな山里でフリースクールは立ち上げられるだろうか

「山里でフリースクールを開きたい。
いまの文部省教育になじめない子のために。生きるそのものワザを養わせたい。その上での読み書きソロバン。農業を基盤にやってみたい。そのためにも、こんな山里が最適」。
そんなことを言う女性が訪ねてきた。2か月前のことだ。まあ、こういう話はよく聞くことで、だいたいは、頭の中が「お花畑」だったりする。語る夢を一つひとつサポートをしてみたり、「そんな甘いもんじゃないよ」と、一つひとつ、つぶす役割をすることもある。
この山里には、知っているだけでも不登校児も数人いる。落ちこぼれではない。いまの型にはめられた教育を受けたくない、と堂々と学校に行ってない。明るく活発に走り回っている。いいなぁと思いつつ、でもやはり学校は社会生活の訓練にも大切とおもったり。
なので、こんな山里に自然の中のフリースクールがあればいい。必要なことだし、おもしろい。
------------------
しかし、経営となるとむずかしい。収益なければ継続はできない。立ち上げの初期投資もかかる。文部省の認可がなければ、授業料も多額になる。
自分の暮らしの収入につながるかどうかわからない。安定収入があったり、貯金の間ある人なら、やりがいのある社会活動として、生きがいとして楽しんでやればいいと思うのだが。
そもそも山里には子どもがいない。まちなかからきてもらうにしても、往復3時間余もかかる。きてくれるか、むずかしい。東京近郊の田舎なら、ニーズがあるので、可能性はあると思うけれど。
「こんな山里で展開するよりも、やはりまちなかの近くの田舎がいいよ」とも伝えた。
「こんな山里でこそやりた。この山里にきてみて、いろいろな人に出会って、そういう人たちの力をかりてできそうだ」という。
「まあ、とにかく一つひとつトライしてみる価値はあるね。なにか役に立つならお手伝いしますよ」と。
-------------------------
ちゃんと教員免許もあるし、学校教育の実績もある音楽の先生だ。ピアノ教室もしていた。
その方が教育委員会に行くと、不登校児のクラスの受け持ちの募集があったそうだ。そうすると、学校で自由にフリースクールができるかもしれない。
そこの教師をしながら、空いた時間にフリースクールををやる。文部省教育とフリースクールにつなげられる可能性もある。「どこのエリアがいいのか」と聞かれたので、天竜区浜北区といっておいた。
----------------------
実現するかどうかは、その人の本気度にかかる。縁を活かす力。ネットワークを作る力。なかなか、本気みたい。
そんなことで、この山里に移住することになった。先週、神奈川から引っ越し。山里の「おためし住宅」もきまりそう。まあ、そのうちタダでもいいという空き家くらいは見つかると思う。
いま、ぼくはビオトープと無農薬田んぼ、オープンテラスと木工所と宿泊所の計画を練っている。縁があれば、その流れでサポートに入ってもらうことになるかも。
またうちの施設では、保育ママが足りない。そこに仕事として入ってもらう。子どもの世話をしながら、お年寄りとも地域の人ともつながって、そしてビオトープと田んぼに関わっていく。その過程で、なにか可能性は見えてくるかもしれない。ま、何ごともやってみないとわからない。